商船三井は3月10日、主にケミカルを取り扱うオランダの大手タンクターミナル会社、LBC Tank Terminals Group Holding Netherlands Coöperatief U.A.(以下、LBC社)を買収すると発表した。同7日に持分譲渡契約を締結し、持分所得価格は約17億1500万米ドルとなる見込み。
LBC社は化学産業の集積地である欧州(アントワープおよびロッテルダム)と米国湾岸地域 (ヒューストン、フリーポートおよびバトンルージュ)で7ターミナルを運営し、ケミカルの取り扱いにおいてタンクターミナル業界で世界最大手の1社。
合計約300万m3の容量のタンク、岸壁施設、パイプラインや鉄道・トラックへの積み出し施設を有しており、出荷港と着荷港における貯蔵サービスを通じて、化学品メーカーやエネルギー会社等のサプライチェーンを支えている。
商船三井グループはケミカルロジスティクス事業を今後の成長事業領域として入り付けており、買収はその一環として実施したもの。なお取引の実行は関連当局からの許認可の取得が条件となるが、LBC社は商船三井の特定子会社となる見込み。
グループでは既にケミカルタンカー事業として、2019年にNordic Tankers、2024年にFairfield Chemical Carriers の株式を取得し事業規模を拡大。世界最大級の船隊規模を有している。
今回の買収によりタンクターミナルでの陸上保管機能を獲得し、海上輸送からタンクコンテナを利用した小口輸送までラインナップを拡大することで、顧客の多様な輸送ニーズに柔軟に応える「ケミカルトータルロジスティクスサービス」体制を構築し、ケミカル物流をグローバルにリードする存在になることを目指している。
■LBC社概要
名称: Tank Terminals Group Holding Netherlands Coöperatief U.A.
本社所在地:オランダ
設立:2013年10月
事業内容:欧州及び米国における液体化学品、精製石油製品、原油等の貯蔵施設の運営
商船三井/ギアバルクを連結子会社化、オープンハッチ船事業を特徴に