三井倉庫ホールディングスは3月11日、運営する物流センターのEC向け出荷業務に、ペーパーレスマルチピッキングカートを開発、導入したことを発表した。
ペーパーレスマルチピッキングカートは、複数オーダー分の商品を集めながら、仕分けも同時に行うマルチピッキングに、ペーパーレス機能を搭載した台車。
物流分野のシステムおよび製品開発を行う電気通信大学発ベンチャーのB-STORMのマルチピッキングカートを、同社と共同でカスタマイズ開発したものだ。
ピッキングから検品に進む工程で必要な連携情報であるオーダー番号を紙伝票ではなくバーコード化し、各カートに取り付けた電子ペーパータグに表示させることで、完全ペーパーレス化を実現。
独自技術で最適な経路を自動算出し、ピッキング指示画面にピッキングロケーション・商品名・個数などの情報をタブレット端末に表示させることで歩行距離の削減と作業時間の短縮が可能となる。
特に多品種小ロットの製品が多いEC向け出荷業務では、ピッキング作業が倉庫の稼働率に大きく関係するため、生産性を高めるうえで作業の効率化が重要だ。
同社グループの三井倉庫では、ハイブランドファッション分野でBtoBおよびBtoCビジネスを全国展開する企業のEC向け物流業務の受託、運営にあたり、本カートを導入した。
1オーダー毎に商品をピッキングするシングルピッキング、AMRによる協働ピッキングに今回のマルチピッキングが加わることで、商品の点数と種別に応じて3つのピッキング手法を使い分けることが可能となり、出荷時の作業効率化を実現している。
カートの導入により、月にA4用紙約1500枚、さらに歩行距離を約7割、作業時間は約4割削減できたという。
同社は今後も、スマートロジスティクスによる生産性と品質の向上を実現することで、顧客の事業の発展に貢献していくとしている。
三井倉庫HD/CO2排出量簡易算定ツールの関連技術で特許取得