ENEOSホールディングスは4月1日、グループの海運事業の一部を日本郵船に譲渡すると発表した。
これは、ENEOSグループの海運事業を手掛けるENEOSオーシャンが日本郵船との間で締結した株式譲渡契約に従い、ENEOSオーシャンの原油タンカー事業以外の LPG 船、ケミカルタンカーおよび貨物船等を中心とする海運事業を、吸収分割により、同社が設立した完全子会社であるNYK Energy Ocean(NEO)に承継させた上で、NEOの株式の80%を日本郵船に対して譲渡するというもの。
譲渡価額は約760億円。この取引による利益として、約700億円を2026年3月期の同社連結営業利益に計上する見込み。
なお、ENEOS HDが3月28日に公表した2025年3月期の同社連結業績予想の見直しにより、この取引の業績に与える影響が増し、投資判断に有用な情報に該当するとの判断に至ったことから、任意開示を行うこととしたもの。
ENEOSオーシャンは、原油、LPG、ケミカル・石油製品および貨物船等の多岐にわたる船種を展開し、長年にわたり、同社グループ向けの海上輸送に貢献すると共に、国内・海外の様々な企業に対して質の高い海上輸送を提供してきた。
一方で、近年の船価の高騰による投資負担増や、CO2排出量を始めとする世界的な環境規制への対応、DXの推進による安全性の向上・運航の効率化等の課題に対応する為には、グローバルな海運セクターでの成長戦略を描くことが出来る新たなオーナーのもとで事業を行うことが、対象事業、ひいては同社グループにとって最適と判断した。
こうした状況の下、対象事業の持つ高い可能性を最大限に引き出し、事業および従業員の更なる成長を実現できるオーナーとして、国内外航海運業界におけるリーディングカンパニーであり、脱炭素への取り組みを加速し、成長分野での積極的な投資を推進する日本郵船に譲渡することにしたもの。
日本郵船/ENEOSオーシャンから承継した海運事業の新会社名を発表