ファミリーマートは6月5日、多岐にわたる取り組みの推進により、2024年度の物流配送で排出されるCO2は、2017年度対比で12.8%削減となり、引き続き、物流配送におけるCO2削減を推進していくと発表した。
ファミリーマートは、2030年までに2017年度対比30%のCO2排出量削減を目標に掲げ、物流配送でのCO2削減を積極的に推進している。多岐にわたる取り組みでは、AIを活用した配送シミュレータによる配送コースの設定やクリーンディーゼル車両やFC(燃料電池)小型トラック、RD(リニューアブルディーゼル)を使用した環境配慮型配送車両の導入などがある。
AIを活用した配送シミュレータによる配送コース数の設定では、2022年10月から弁当やサンドイッチなどの定温・チルド配送からAIを活用した配送シミュレータの運用を開始し、2023年10月からアイスクリームや冷凍食品などの冷凍配送、2024年6月から加工食品・ドライ飲料などの常温配送に導入し、店舗配送の最適化に繋げている。効率的なルート設定によって配送コースや配送車両台数が約10%削減されるとともに、2017年度対比、走行距離で約5300万キロ(約20%)を削減した。
クリーンディーゼル車の導入では、2019年9月から排出ガス規制をクリアしたクリーンディーゼル車への入れ替えを推進しており、2025年2月末までに約2300台の配送車両の入れ替えを実施してきた。
FC(燃料電池)小型トラック・RD(リニューアブルディーゼル)など環境配慮に対応した配送車両・燃料の導入では、FC小型トラックは、2021年11月からFC小型トラックの導入を開始し、2025年5月末で17台の配送車両が走行している。なお2023年以降の取り組みは、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業「グリーンイノベーション基金事業/スマートモビリティ社会の構築」として実施されている。RDは2021年6月から配送センターの一部車両で軽油の代わりに、リニューアブルディーゼルを使用した配送車両の運用を実施し、2025年2月末で3台の配送車両が走行している。
他社との協業推進では、2024年2月からコカ・コーラ ボトラーズジャパンと神奈川県海老名市・厚木市エリアにおける配送において、車両の共同活用を開始している。両社で車両を有効活用し、新規に使用する配送車両の削減を図るとともに、車両の安定稼働に繋げている。
「配送コースの効率化」では、配送シミュレーションの精度向上や、配送ルートの最適化を進める。「環境配慮型車両の導入」では、FC小型トラック、EVなど環境配慮に対応した配送車両の導入を推進し、最新技術の活用を進める。「他社との協業・連携」 では、更なるパートナーとの協業や異業種との連携による共配体制の構築を目指す。「配送回数の最適化」では、配送頻度の見直しや、物量の平準化による物流配送の最適化に取り組む。
ファミリーマートは、今後も各種の取り組みを強化することで、物流配送におけるCO2排出量削減を積極的に推進していくとしている。