国土交通省は8月26日、2026年度概算予算要求の内容を発表した。
物流・自動車局の一般会計概算要求額は25年度当初予算比3.0倍となる45億円で、自動車安全特別会計を含めた合計額762億円のうち、次期総合物流施策大綱策定を見据えた物流の集中改革推進として51億6100万円(2.07倍)を要求している。
物流の集中改革推進では、物流効率化で44億3200万円(1.85倍)、商慣行の見直しで3億3400万円(4.86倍)、荷主・消費者の行動変容で2億9500万円(14.75倍)と大幅な増額を求めているほか、次期大綱策定を見据えた効果の調査事業等で新規に1億円を計上している。
物流効率化の内訳は、「日本全体の物流ネットワークの再構築推進」で5億円、「ラストマイル配送の持続可能な提供確保」で1億7500万円、「自動運転トラックの社会実装の推進」で3億2700万円、「多様な担い手の確保・育成のための環境整備」で4億7200万円、「物流拠点の機能強化等」で6500万円など。
荷主・消費者の行動変容等では、物流統括管理者が主体となって複数の荷主物流事業者間のデータの可視化・共有化を進める取り組みを支援して物流コストに応じた運賃・商品価格の設定や物量の平準化などの物流改善を推進するほか、再配達削減に向けた消費者の受け取り方法の選択肢を増やすため、オートロック式マンションでの置き配や駅・公共施設での宅配ロッカーの活用を図る事業者の先進的な取り組みを後押しする。
税制改正要望では、「新たな物流拠点の整備計画に基づき取得した資産に係る特定措置の創設等」として、物流拠点の整備等に当たり新たに取得した家屋または償却資産について、所得税・法人税の取得後5年間10%の割増償却を可能とする特例制度の創設などを求めている。
ドライバー不足を背景としたトラック輸送の変容や施設老朽化、デベロッパーの開発した物流施設の増加などを踏まえ、従来の倉庫税制とは異なり倉庫業法に基づく営業倉庫以外の施設についても対象となるよう要望していく。
<トラック輸送の変容を踏まえた基幹となる物流拠点のイメージ>
また、地方自治体が関与した幹線上の中継輸送機能や幹線と地域配送との結節機能を持った物流拠点などについても対象とすることを検討している。