横浜冷凍(ヨコレイ)は11月28日、ベントール・グリーンオーク(BGO)と戦略的パートナーシップに関する基本合意を締結すると発表した。
同社は持続的な企業価値向上のため、ヨコレイ事業ビジョン 2030 に基づき、事業を運営しているが、想定していた投資規模及び成⻑スピードでは、市場が求める冷蔵倉庫需要に応えることは困難であり、結果として同社のみならず⽇本の⾷品流通インフラ全体の競争⼒低下を招く恐れがあると認識している。
冷蔵倉庫業界のリーディングカンパニーを⽬指すにあたって、⾷品の安定供給を通じた持続可能な社会への貢献という使命を果たすべく、従来の計画を⼤幅に上回る規模とスピードでの事業展開を⾏うため、豊富な資⾦⼒と専⾨性を有する戦略的パートナーとの協業が必要不可⽋と判断した。
事業展開の加速に向けて検討を⾏っていたところ、BGOより、⾼度冷蔵設備を備えた冷蔵倉庫事業の将来性と⾷品流通インフラとしての社会的価値に強い関⼼が⽰され、同社とBGOは、複数回の⾯談や主要冷蔵物流センターの現地視察等を通じて相互理解を深め、戦略的パートナーシップの構築について協議を重ねてきた。BGOは豊富な不動産ファンドの運⽤実績およびグローバルにおける冷蔵倉庫運営の知⾒を有しており、同社事業との親和性が⾼いことから、戦略推進を⽀える最適なパートナーと判断し本基本合意に⾄ったもの。
基本合意の内容は、同社とBGOが戦略的パートナーシップを構築し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、双⽅の持続的な企業価値向上を図ることを⽬的に締結するもの。資本効率の向上と、社会価値創造の両⽴を重視した包括的な協業体制の構築を⽬指す。
両社は、戦略的ビジネスパートナーとして新設冷蔵物流センターの共同開発を協議し具体的な実施内容・⽅法等について検討を進めていく。まず、ヨコレイが検討している今後の新設計画において、同社とBGOのノウハウを最⼤限活⽤した最新鋭の次世代型物流センターの共同開発を⽬指す。庫内業務の完全⾃動化、AI・ロボティクスによる顧客サービスの⾼度化、デジタルトランスフォーメーションを通じた業務効率の最⼤化を実現し、業界をリードする先進モデルの確⽴を図る。
また、港湾冷蔵物流センターの建替に対するBGOとの共同取組、また、同社が保有名称:する冷蔵物流センターの再開発を⽬指し、港湾地域における⽤地及び倉庫の共同取得、並びに次世代型冷蔵物流センターの開発の推進について共同で取り組むことを⽬指す。
ヨコレイの海外事業の展開に関しても、BGOの保有するリソース、ノウハウ、ネットワーク等を活⽤した共同での取り組みの実現に向けて両社で協議を進めていく予定だ。
さらに、保有する⼀部の資産の流動化を共同で検討する。本施策により調達した資⾦は、財務健全性の向上(有利⼦負債の圧縮)と成⻑投資(既存冷蔵物流センターの次世代型への再開発)に最適配分し、資本効率の向上を図る。
なお、BGOグループは、世界25拠点にオフィスを構えるグローバル不動産プライベート・エクイティ・ファンドの運営会社。2025年4⽉末現在で、主に⽇本を投資対象とする約46.0億⽶ドルのアジアファンドを組成している。BGOは、各物件が持つ潜在的な価値を具現化させ、新たな付加価値を提供する投資戦略に強みを持っているとのこと。
グローバルでの実績として、北⽶、欧州、アジアなどにおいて運⽤総資産額5兆円以上の物流施設(冷凍冷蔵倉庫を含む)への投資実績を有しているほか、⽇本においては、過去に約1兆円の不動産関連案件への投資実績を有し、今後も積極的な投資を継続予定とのこと。
■概要
名称:ベントール・グリーンオーク
所在地:東京都港区北⻘⼭1-2-3
事業内容:不動産投資顧問業
資本金:1億1000万円
設立年月日:2008年11⽉28⽇
⼤株主及び持株⽐率:BGO Holdings(Cayman),LP(100%)
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