ウイングアーク1stは11月22日、中小企業(従業員数300名未満)で運送業務に携わっている513名を対象に、物流業界におけるデジタル化の推進実態調査を実施しその結果を発表した。
質問項目は全部で13項目。そのいくつかを紹介すると、「物流業界の見積・受注・請求での懸念や障壁」についての回答で一番多かったのが、「人手不足・人員体制」が61.2%と断トツだった。次いで「アナログ作業が中心のため作業ミスが起こりやすい」が26.5%、「やりとりが紙や電話が中心のため伝達ミスが起こりやすい」が22.0%という回答となった。
「配車・運行計画での懸念や障壁」でも、「人手不足・人員体制」が61.4%と最も多かった。次いで、「アナログ作業が中心のため作業ミスが起こりやすい」が20.1%、「計画作業や帳票作成がアナログ中心で負担が多い」が18.7%という回答だった。
「集荷・輸送・検収での懸念や障壁」でも、「人手不足・人員体制」が59.6%とさらに割合が増した。次いで、「ドライバーが荷待ちや荷役にどのくらい時間がかかっているか不明なこと」が32.0%、「目視確認が多く積込時の検品ミスが多い」が23.8%という回答となった。
「荷待ち・荷役作業時間はどの程度可視化されているか」では、「完全に可視化されている」が10.4%、「一部のみ可視化されている」が30.4%という回答となった。
「荷待ち・荷役作業時間可視化の課題」については、「ドライバーからの報告の不正確さ」が27.3%、「手作業が多いことによるデータの正確性・即時性の欠如」が25.3%、「荷主側の情報共有や設備面での協力不足」が23.0%という回答だった。
「荷待ち・荷役作業時間短縮のために効果的な対策」では、「ドライバーの待機時間を削減する計画の見直し」が42.1%、「荷役作業の効率化(作業手順の改善、機器の導入など)」が28.5%、「バース予約システムの導入による待機時間の削減」が20.3%という回答となった。
「デジタル化による物流業界の人手不足問題の解決」については、「非常に期待できる」、「やや期待できる」の回答が36.7%だったのに対し、「あまり期待できない」、「全く期待できない」の回答は48.7%だった。
ウイングアーク1stの物流プラットフォーム事業開発部加藤 由貢部長は「物流の2024年問題への対策として、業界全体でデジタル化が急務である一方で、中小運送業においては、未だ人手不足やアナログ管理が大きな障壁となっている。新物流二法の改善ポイントであるトラックドライバーの1運行の平均拘束時間の内、荷待ち・荷役作業時間の削減を荷主・元請・運送事業者が協力して実施することが急務だが、荷待ち・荷役作業時間の完全可視化ができている企業は1割に留まっている現状が浮き彫りになり、約9割が一部のみ、または可視化されていないということになる」と分析している。
■ウイングアーク1s
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