半導体製造装置や材料、設計ソフトなどが集まる国内最大級の半導体展示会「SEMICON Japan 2025」が東京ビッグサイトで、12月17日から19日までの日程で開催中だ。半導体サプライチェーンを担う「第1回ロジスティクスパビリオン」には、NXホールディングス(HD)など3社が出展している。
<「SEMICON Japan 2025」東京ビッグサイトで開催>
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半導体の国際業界団体SEMIが主催し、49回目の開催となる今回のテーマは「AI×サステナビリティ×半導体」。半導体産業のエキスパートによるセミナーのほか、35か国から1216のブース出展があり、初日から多くの人で賑わっていた。3日間で12万人の来場を見込んでいる。
NXグループはNXHD、日本通運、NX商事、日通NECロジスティクスの4社共同でブース出展。半導体工場建設時から最終製品の流通販売に至るまで、End to Endのロジスティクスソリューションを紹介している。
NXグループでは、「経営計画2028」において半導体関連産業を重点産業に位置付けており、国内では北海道や九州を中心に国内に10か所の半導体産業の戦略拠点を持っていることをアピール。
また国際輸送においてはインドでのロードサーベイ(道路調査)や独自アプリを活用した半導体インフラ調査の取り組みを紹介している。NXHDグローバル事業本部 半導体チームの植木崇広さんによると、「インドで半導体国産化の動きが活発化しているが輸送面では道路の凹凸など課題がある。現地に2拠点を構え調査している」という。
NX商事では、半導体や医療機器などを対象とする防振輸送サービス「Logivision」を紹介。独自技術の「ダンピングコイルばね」で輸送中の振動・衝撃を軽減する「防振パレット」や、防振輸送×積載効率の向上を実現する「防振スリーブボックス」などの実機を展示している。
<防振輸送サービスを支える技術>
特許を取得している「ダンピングコイルばね」は、ばねに巻き付けた特殊粘弾性ダンパーが路面の凹凸による振動や衝撃を軽減する仕組み。また「防振スリーブボックス」は1100×1100㎜の標準パレットサイズを初公開した。日通NECロジスティクスは、半導体・電子部品特化型倉庫や高度なロジスティクスサービスを紹介している。
キャセイカーゴは、振動や温度変化に繊細な半導体製造装置や超重量物、イレギュラーな形状などの特殊貨物用ソリューション「キャセイエキスパート」を紹介。
香港国際空港をハブとして100以上の都市へ貨物サービスを提供でき、空港内にカーゴターミナルを持ち温度・品質管理を徹底していること、貨物専用機ならではの積み付けノウハウやスピード感をアピールした。半導体業界のニーズの高さに応えるため、AIを活用した物流の効率化にも取り組んでいるという。
DHLは、日本国内の物流を担うDHLサプライチェーンジャパンと、BtoBの大型貨物輸送を世界で展開するDHLグローバルフォワーディングジャパンの2社が共同出展。
DHLサプライチェーンジャパンは国内に約120の物流拠点を展開しており、半導体分野では北海道から九州まで12の半導体物流拠点と全国ネットワークで、装置・部品・保守パーツの物流をサポートしている。また輸送状況や在庫をアルタイム在庫可視化するプラットフォームを用意し、半導体製造装置メーカーや関連企業の安定稼働を支えていることなどをパネル展示で紹介した。