DHLグループは3月3日、ライフサイエンス&ヘルスケア分野での物流体制を大幅に強化するため、専用の航空貨物コールドチェーンネットワークを拡充すると発表した。これにより、温度管理を必要とする医薬品、ワクチン、バイオ医薬品、細胞・遺伝子治療製品の輸送体制を高度化する。
「DHL Health Logistics」に対する総額20億ユーロの戦略的投資の中核となる取り組みの一つで、高度な品質管理が求められるヘルスケア製品について、エンドツーエンドでの可視性を確保し、世界有数の製薬・医療機器企業で高度化・複雑化する物流ニーズに対応する。
ほかの航空会社や商業航空便への依存度を低減することで、輸送全行程でのサービスの完全性と温度管理精度を向上させるとともに、地政学的リスクや輸送スペース不足、規制の複雑化といった外部環境変化への対応強化も図る。
ネットワークは、30以上のGDP(医薬品の適正流通基準)準拠の航空ハブ・ゲートウェイを通じて主要市場を結び、温度管理を必要とする医薬品・医療製品の輸送能力を拡充する。
ベルギー・ブリュッセル~アメリカ・シンシナティ間の専用レーンを第一弾として運用を開始し、その後、欧州、中東、アジア、中南米へと順次拡大する予定。
ブリュッセル~シンシナティ間は、大手製薬企業が集積する米国中西部と、欧州有数のライフサイエンス拠点を直接接続。沿岸部の混雑を回避することで、高付加価値バイオ医薬品やタイムクリティカルな細胞・遺伝子治療製品に対し、シームレスな温度管理輸送を実現する。
ブリュッセル側では、ブリュッセル空港貨物地区内に4万5000m2の医薬品専用ゾーンを整備し、臨床レベルの品質保証体制のもと、出発地から到着地まで一貫した品質管理を確立する。これにより、世界の主要ヘルスケア市場間を結ぶ強靭(きょうじん)な輸送インフラを構築する。
今後の重点拡大国には、インド、シンガポール、日本、韓国、ブラジル、米国、ドイツ、アイルランドが含まれ、各ルートは厳格な規制要件を満たしながらサプライチェーン全体で製品品質を維持する設計となっている。
DHLサプライチェーン/モザーク社の医療機器物流を相模原センターで開始
