東急不動産は3月17日、広島市に一部を冷凍冷蔵対応とした7万7365m2の物流施設「LOGI’Q広島」を建設すると発表した。5月31日の着工、2028年4月28日の竣工を予定している。
「LOGI’Q広島」は、同社の物流施設ブランド「LOGI’Q」シリーズとしては中国地方初進出の「環境フラッグシップ物件」で、物流施設では日本初となる水素ドローンポートの設置などを予定している。
最大14テナントが入居可能な大型マルチテナント型施設で、ランプ経由で各階に接車でき、入居テナントの輸送効率を向上させる。
広島県は食品加工(海産物等)が盛んで、冷凍冷蔵倉庫へのニーズが高い一方、現状では倉庫の建て替えが進んでおらず、供給が不足している傾向にあることから1~2階を冷凍冷蔵フロアとすることで、地域のニーズに対応する。
冷凍冷蔵倉庫は通常のドライ倉庫よりも使用電力が多い傾向にあるが、業界トップクラスの実績を誇る東急不動産の再エネ発電所を活用した電力供給や蓄電池の導入、100%子会社であるリエネが提供する再エネ100%の「リエネでんき」を使用することで施設を再エネ100%で運営し、入居テナントの環境経営の支援・脱炭素化を推進する。
「LOGI’Q広島」は、広島高速3号線「観音IC」から約4km、「吉島IC」から約3km、広島港から約5kmと、近畿、中国、四国、九州地方をつなぐ広域配送に最適な場所に位置しているほか、消費地である広島市内に向けた配送拠点としての利用が想定される。
屋上には太陽光発電所を設置して自家消費するとともに、敷地内には蓄電池も設置。今まで建屋で使い切れずに外部へ売電していた太陽光電力を蓄電池に充電し、太陽光での発電量が落ち込む夜間等に放電させることが可能で、これにより建物内で使用する使用電力の「生再エネ」比率を最大化する。
導入する蓄電池は、屋根上太陽光から充電できるほか、電力系統と接続して需給調整・売電等の市場運用にも対応。加えて、停電時の自立運転にも対応しており、貯蔵した電力を保安負荷へ非常用電力として放電することで、BCPの強化に貢献する。
電力需要が逼迫(ひっぱく)する時間帯に蓄電池から放電を行うことで、需給調整・売電等の市場運用を通じた電力系統・需給バランスの調整に寄与するとともに、リエネと協力し、太陽光発電や蓄電池を含めたエネルギーマネジメントを行い、使用する電力を最適化する。
ピークカットや太陽光の余剰電力の充電、市場運用にも対応した蓄電池から商用系統の停電時でもBCP電源として利用できる仕組みは、物流施設では初。
床デッキ材を製作するケンテックは、「リエネでんき」の契約により、再エネ発電所由来の再エネ電力によって製作された部材(製品名:スーパーグリーンデッキ)を物件建設時に使用する。
鉄骨材料を制作するヤマトスチールは梁(はり)に使用する鉄骨のおよそ半分に、リエネが調達した非化石価値を加えることで、鉄骨制作により使用する電力を再エネ発電所由来の再エネ電力によって賄う。
また、GOが提供するEV充電サービス「GO Charge」を敷地内に導入。使用する再エネ100%電力を「GO Charge」スポットにも供給することで、再エネ100%電力のEVトラック充電スポット(出力180kW の超急速充電器)を実現することにより、入居テナントなどの電気自動車導入推進をサポートする。
新規に建設する物流施設内に「GO Charge」スポットを導入するのは日本初。
水素ドローンポートの設置も検討しており、水素ドローンベンチャーであるロボデックスにより離島への水素ドローンによる物資輸送事業を行う予定で、ドローンポートは入居テナントも使用可能とする計画。
瀬戸内海に近いという特性を生かし、一般的なドローンより航続距離が長い(最大飛行時間約120 分)水素ドローン活用に適しており、水素ドローンポートの物流施設内への設置は日本初。
使用する水素は、「LOGI’Q広島」で使用する再エネ100%電力を用いたグリーン水素で、倉庫で使用する水素フォークリフトの導入支援など、引き続き次世代エネルギーとしての水素活用の検討を行う。
物流DX推進の一環として、エアロネクストグループと連携したドローン配送の実証も推進。「LOGI’Q広島」をはじめとする物流施設で、エアロネクスト、NEXT DELIVERYと連携し、ドローン配送の社会実装を推進する。
<「LOGI’Q広島」で実施する取り組みの配置イメージ(緑色:環境配慮、青色:社会問題解決)>

また、トラック輸送時の過積載や積み忘れの抑制が課題となっていることから、外構にトラックスケールを導入することで、荷物を含めたトラックの重量計測が可能。
さらに、トラックの倉庫空き待ちによる路上駐車が課題となっていることを受け、倉庫区画の一部を「置き配バース」として設定、倉庫の営業開始前など、受け取り側が不在でもドライバーが置き配バース内で荷降ろしが可能となる。
■「LOGI’Q広島」概要
所在地:広島県広島市江波沖町1588-4
用途地域:工業地域
主要用途:倉庫業を営む倉庫
敷地面積:3万1019.70m2(9383.46坪)
延床面積:7万7365.02m2(2万3402.91坪)
建物構造:鉄骨造5階建
着工:2026年5月31日
竣工:2028年4月28日
設計:青木あすなろ建設
施工:青木あすなろ建設・大之木建設 特定建設工事共同企業体
事業主:東急不動産
コンストラクションマネジメント:フクダ・アンド・パートナーズ
トラックバース:138台
駐車場:普通自動車242台(うち車いす用2台)、トラック待機場8台
バイク置き場:10台
駐輪場:50台
環境認証(予定):CASBEE S 認証、BELS 6star 認証、『ZEB』認証
東急不動産/埼玉県の物流施設2物件で10月30・31日内覧会




