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ヤマトHD/デリバリー事業、7億2300万円営業損失

2008年07月31日/決算

ヤマトホールディングスの2009年3月期第1四半期決算は、売上高2972億6000万円(前年同期比6.7%増)と増収となったが、営業利益は52億4800万円(26.6%減)、経常利益が58億6700万円(25.6%減)となり、特に当期利益は11億3500万円(73.9%減)と減益幅が著しい結果となった。

主な減益の要因は、宅配便など主力のデリバリー事業で収益構造変革を推進するための各種取り組みで、人件費などの経費が増加したこと。また原油価格の高騰、同業他社との既存顧客の取り合いなども打撃となった。

宅急便の取扱数は2億8700万個(3.4%増)、メール便も5億6100万通(5.5%増)伸び率が下がっている。

取扱い高引き上げのため、暗号化した2次元コードと端末を利用して本人確認を行う宅急便の「本人確認サービス」を5月に開始や、法人向けの「速達メール便」や宛名ラベル発行ソフトの展開など、提案営業を強化した。この結果、主力のデリバリー事業では売上高2343億3700万円(5.1%増)となったが収益体質の強化策を遂行中のため、人件費などの経費が増え営業損失7億2300万円となった。

BIZ-ロジ事業は、売上高242億600万円(8.7%増)、営業利益は各方面での経費削減効果もあり、12億3000万円(17.3%増)を記録した。輸出業務の支援業務、エクスポートファクトリーのモデル施設を6月に千葉県市川市に完成させたことで、輸出梱包作業と輸出書類作成・通関手続き業務を一元化。輸出に関わる時間と費用を削減し、スピーディな配送を行うことで今後の顧客開拓につなげる。

個人向け引越サービスなどのホームコンビニエンス事業は、旧丸井グループのムービングを統合した効果もあり、売上高は137億500万円(33.9%増)と大幅に増加。一方利益面では、傭車費など下払い費用の増加で、4億8400万円の営業損失を計上。電化製品の据付け・設置の「らくらく家財宅急便」は、法人顧客の開拓努力が結実し順調だったという。

引越ソリューション事業では、採算性の高い引越案件に注力。ボックス単位輸送や法人向け引越を強化するなど採算性重視の展開を行ったが、改正建築基準法施行で建築基準が厳格化された影響を受け、同期は低空飛行となった。今後は、らくらく家財宅急便でオール電化施工管理体制の強化を推進するなどの取り組みを進める。

e-ビジネス事業は、売上高76億4000万円(3.5%増)、営業利益は11億5900万円(31.1%増)と堅調に推移。「トレーシング」、「セキュリティー」、「パッケージ」をキーワードに、2008年度から開始した企業間の出荷情報共有と作業の効率化を促進する「Web出荷コントロールサービス」の展開が貢献した。

フィナンシャル事業は、売上高123億4700万円(0.7%減)。営業利益は22億4300万円(20.5%減)と減収減益となった。ショッピングクレジット事業で貸倒引当金が増加したことなどが原因とされる。一方、宛名ラベルと払込票を一体化して発行し、代金回収業務を簡素化する「クロネコメール便コレクト」を強化したことで、定期購読紙・会員報等の収納代行サービスは拡大した。

トラックメンテナンス事業は、売上高39億7400万円(83.8%増)、営業利益7億2900万円(16.2%増)と好調だった。24時間・365日の車両整備サービスで、車両の稼動に影響せずにトラック・バス運送事業者を支援するサービスの展開、燃料・部品調達などの一括代行で顧客のトータルコストを削減する提案営業が成果を上げ、車両管理台数は順調に推移した。

その他の事業は売上高が3億6800万円(173.3%増)と、全事業中最も高水準の売上を確保。JITBOXチャーター便の、企業間物流でジャストインタイムでの輸送ボックス納品や、多頻度適量納品など順調に市場での知名度が向上した。

通期の取り組みでは、4月よりヤマト運輸からヤマトグローバルエキスプレスに事業承継した航空貨物利用運送事業で国内航空貨物輸送を強化し、顧客の物流ニーズに適合した輸送コントロールの提案や、内外を通してモノの流れを可視化する一貫型トレーシングシステムの提供などにより、収益力の強化を図る。現状で通期の見通しに変更はなく、売上高1兆2900億円、営業利益740億円、経常利益760億円、当期利益380億円を見込んでいる。

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