日通総合研究所は6月16日、2011年度の経済と貨物輸送の見通しを発表し、2011年度の国内総輸送量を12年連続の減少の4.0%減と予測した。
<国内貨物輸送量の見通し>
<品類別輸送量の推移>
国内輸送量は東日本大震災の影響を色濃く受け、消費関連貨物は、個人消費の低迷に加え、前年の夏場に盛り上がった季節商品の反動減もあって、3%台後半のマイナス。
生産関連貨物は、被災地における生産・出荷の減少やサプライチェーンの混乱の影響、さらに夏場における電力不足の懸念などもあって、上期は多くの品目において低調な動きが避けられない。
下期も、鉱工業生産や設備投資の盛り上がりが期待できないなかで、プラスへの浮上は1~3月期にずれ込み、年度全体では3%台後半のマイナスが見込まれる。
建設関連貨物は、公共投資と住宅投資のプラスへの反転が予測されるものの、大型の公共土木工事が予定されていないことと被災地におけるがれき処理や建築物の再建等、復旧・復興需要の発生時期や規模が不透明なことから、4%台のマイナスを予測した。
<外貿コンテナ貨物輸送量の見通し>
国際貨物は、外貿コンテナ貨物(主要9港)輸出入の合計は2.6%を予測している。
そのうち、輸出は、東日本大震災の影響を受け、特に4~6月期は自動車部品、電気機械の前年度割れ等によりマイナス成長を余儀なくされるが、世界経済の着実な成長を背景に7~9月期以降は回復軌道に乗り、年度全体では0.2%増とみている。
輸入は、消費マインドの冷え込みを反映して消費財の伸びが押さえられるものの、設備投資の回復により下期は機械機器が堅調に増加することから、4.5%の増加としている。
<国際航空貨物輸送量の見通し>
国際航空は輸出入の合計が0.4%増で、そのうち輸出は、自動車部品の緊急輸出もあり、東日本大震災に伴う影響は軽微と予測されるものの、在庫調整局面にあるIT関連貨物が弱含むため、上期は水面下の動きとなる。
しかし、下期はIT関連貨物も増加に転ずることから、年度全体では0.2%減。
輸入は、消費財が前年度大幅増の反動により伸び悩み、IT関連貨物なども特に上期において力強さに欠ける展開となることから、年度全体では1.0%の小幅増としている。
NXHD/7月の国際海上輸送取扱実績、グローバル合計23.9%増