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ハマキョウレックス/元従業員の不正行為、調査報告

2013年07月26日/SCM・経営

ハマキョウレックスは7月26日、元従業員による不正行為を7月12日に発表し、調査委員会による調査を進めてきたが、その調査報告書と再発防止策等を発表した。

報告書では、元センター長Aと元センター長Bは、それぞれが2008年4月から2013年6月までの約5年間、自己の業績が不振で、自身の社内評価上昇と報酬の確保を目的に、請求書などを捏造して、本社経理部に架空売上を含めた請求金額を報告し提出していた。

後日、売上代金回収額との差額が発生。経理部からの問い合わせには、取引先C社の検収手続きのタイミングのずれこみである等と巧妙な説明をし、2次月以降の請求と回収金額との紐付きもして、いかにもその差額が正当であるかのごとく巧みに説明を繰り返していた。

架空売上計上に関して両名から事情聴取を実施している中で、Aの供述に不自然な点があり、リベートなど不自然な金銭のやり取りがないか追及したところ、出入り業者2名(X、Y)との間で不当な金銭を受領していた事実をAが自白した。

2009年秋に、センター内の雑草の手入れと倉庫内の清掃業務を発注。その作業料を銀行振り込みにより支払いした。後日XよりAにその御礼として現金が提供された。

以後、共謀して実体のない作業を捏造して会社に請求書を提出させ、正当な作業経費として処理させ、かつリベートとして現金提供を2011年3月まで継続的に実行していた。

しかし、Xの体調不良などの理由で継続が不可能となったため、Xの子息の知り合いのYに同様なスキームでリベート現金の還流が引継ぎされ、2011年4月より2013年5月まで約2年間継続し定着していた。

調査の結果、実体の無い作業に対して支払われていた金額は2900万円と推定。現時点でYとの取引内容の実態調査が不十分なため、今後は、刑事事件として更に調査を継続していく方針としている。

なお、Bについてもリベート着服などの事実がないかを経理部に提出されて保管中の各種の経費領収書等を調査し、本人にも事情聴取したが、その事実は確認できていないという。

調査委員会が、調査で把握した事件の本質として、長期に売上仮装・回収偽装という不正行為を続けた事実。

売上高請求に伴う請求書発行事務を担当センター長に一任していた事を悪用して、取引先C社と本社経理部に対する書類が二重で相違しているにも関わらず、銀行振込みにより回収された金額が相違していた事実の原因追及に関して、巧妙な説明により発覚を遅らせ隠蔽していた。

それぞれのセンターの業績は、売上高・利益ともに当初予算を達成し、前年度対比の計数も相応であり大きな問題がない程度に偽装されていたために、発覚が遅れた。

発覚が遅れた会社の管理体制の問題点を究明しなければならないとしている。

まとめとして、不正行為は、A・B両名が会社の定めたルールを無視して、部下・上司のダブルチェック体制を排除し、得意な弁舌により喚問をくぐり抜けた特異な事案であるが、会社の管理体制に不備があったと言わざるを得ないとしている。

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