国土交通省は6月22日、2016年度物流パイロット事業として、「ミャンマーにおける農産品に係る物流近代化に関する実証事業」を実施すると発表した。
ミャンマーでの農産品の物流について、防振パレット等の物流機器を用いた輸送技術や選果機を導入し、農産品の品質保持・付加価値向上効果等も含めた物流近代化について、実証を通じて課題等を検証する。
農産品の高付加価値化では、マンゴーの出荷/輸送前に「選果機」を用いた選別のほか、「蒸熱処理装置」による炭素病予防措置等を行う。
物流機器を用いた農産品の輸送では、野菜(キャベツ 、トマト等)の輸送に、荒れた道路にも対応可能な「防振パレット」、通気性に優れ品質保持に適した「折りたたみコンテナ」、エチレンの作用を抑制する「鮮度保持剤」を導入し、輸送段階の廃棄率を低下し、品質保持を図る。
実施スケジュール(予定)は、物流機器を用いた野菜の輸送実験が6月27日~30日にシャン高原→国道一号線→ヤンゴン、7月10日~7月13日がヤンゴン→バンコクで行う。
マンゴーの高付加価値化実験は6月23日~7月5日にマンダレーにおいて選別・処理等を実施する。
実証実験は、マンダレー集荷場で高付加価値化させたマンゴーが、農産品取扱業者の求める品質レベルであるか確認。
また、物流機器を用い、野菜をシャン高原からヤンゴン(ミャンマー国内輸送)と、ヤンゴンからバンコク(タイへのクロスボーダー輸送)へ輸送し、輸送時の衝撃等の環境調査や、クロスボーダー輸送時の問題天を把握の上、品質が保持されているかを確認する。
なお、ミャンマーの物流の現状は電力、道路等の物流インフラが未整備の上、トラックへの直接瀬破砕や木箱を使用するなど、物流手法が未発達。
農産品は、選別をせずに出荷するために品質が不安定で、出荷前に処理を施さないために、販売段階で黒い斑点(炭素病)が発生するなど、廃棄率が高く、輸送時に衝撃、鮮度対策等をしないため、荷痛みが激しいといった課題がある。