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日通総研/消費増税延期で駆け込み需要なく、総輸送量が 0.2~0.3ポイント押し下げ

2016年06月22日/調査・統計

日通総合研究所は6月22日、「2016年度の経済と貨物輸送の見通し」改訂版を公表した。

改訂版は3月にとりまとめていたが、その後の内外経済環境の変化を踏まえて改訂したもの。

<経済活動と輸送量>
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2016年度経済・貨物輸送の見通し(ポイント)では、国内貨物輸送は建設関連貨物が下押し、総輸送量は引き続き水面下の推移になるとしている。

2015年度の国内貨物輸送は、消費関連貨物が予想外に好調であったほか、設備投資が若干上向いたことなどから、生産関連貨物もプラスを維持する一方で、建設関連貨物が公共投資の減少などを受けて大幅減となった。

総輸送量は年度全体で0.6%減になったとみられる。消費関連貨物は、食料工業品、農水産品、日用品などを中心として4.7%増に。生産関連貨物は、一般機械や化学工業品が堅調に推移する一方、自動車、鉄鋼、石油製品などのマイナスに伴い、全体では0.6%増に。

建設関連貨物は、民間住宅や非住宅部門の建設に持ち直しの動きがみられたが、公共投資の落ち込みを受けて、砂利・砂・石材やセメント・生コンの不調から5.2%の大幅減に。輸送量を大きく下押し、としている。

鉄道では景気減速に伴い伸び率は鈍化するが、コンテナは増加基調を持続する。自動車は営業用自動車が微増ながら2年連続のプラスに、内航海運は石油が減少する一方で鉄鋼などが増加、輸送量は微減に、国内航空は国内民需の回復を受け0.8%の増加になると予測。

国際貨物輸送では、外貿コンテナ貨物では、世界経済の回復テンポが緩やかななかで、輸出は0.4%の減少に、輸入は、個人消費、設備投資の伸び悩みから、0.1%増とほぼ横ばいで推移するとしている。

国際航空では、輸出はアジア線と自動車部品以外の機械類の回復で、1.5%増とプラス転換、輸入は、生産財(部品類)の回復と円高基調により、0.3%増と5年ぶりのプラス転換になると予測している。

なお、消費増税再延期が経済と国内貨物輸送量に及ぼす影響についても、見通しも公表。

駆け込み需要の消失に伴う分を抜き出すならば、個人消費を0.4ポイント程度、住宅投資を1.1ポイント程度、設備投資を0.4ポイント程度、財貨サービスの輸入を 1.1ポイント程度押し下げると推計される。この結果、個人消費、住宅投資、設備投資に対する影響を合算すると、実質経済成長率を0.3ポイント程度押し下げることになろう。

こうした実質経済成長率の押し下げに伴い、16年度の国内貨物輸送においては、消費関連貨物および生産関連貨物とも0.4%程度の輸送量が消失し、その結果、総輸送量が0.2~0.3ポイント押し下げられると推計される。

具体的な品目をあげると、消費関連貨物に関しては食料工業品や日用品など、生産関連貨物に関しては自動車、自動車部品、鉄鋼・非鉄などの輸送量が若干押し下げられるとみられる、としている。

■日通総研(レポート・研究資料)
http://www.nittsu-soken.co.jp/report/index.html

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