三菱商事は7月4日、傘下のMCバイオテック社(MCB)の培養工場で、アスタキサンチン製造工程の本格稼働を開始したと発表した。
工場が立地するブルネイは、日照、水等の自然資源に恵まれていることからアスタキサンチンを豊富に生成するヘマトコッカス藻の培養に適しており、ブルネイ政府の協力も得ながら、ハラル工業団地である「Bio Innovation Corridor」における第一号案件としてこの事業を取り進めてきた。
MCBには、機能性物質生産に知見のある、日本水産もパートナーとして約7%を出資済。MCBで生産されたヘマトコッカス藻から乾燥バイオマスを製造し、日本向けに輸出する。その後日本国内でアスタキサンチンを抽出した後、この事業のパートナーであるバイオジェニックが、各種原料として製品化し国内外に販売していく。
三菱商事は、1972年よりブルネイで液化天然ガス(LNG)を生産、主に日本に向けて安定的に供給してきた。これに加えて、事業を通じてブルネイの豊かな微生物資源を有効に活用し、安全・環境面にも十分に配慮しながら工場の安定操業を継続することで、同国の産業多角化・雇用創出・人材育成に貢献し、エネルギー事業も含めた包括的なブルネイ・日本の関係強化に尽力していくとしている。
なお、ヘマトコッカス藻とは、単細胞の藻類で、紫外線を受けると自らの身を守るためにアスタキサンチンを生成し、緑色から赤色に変化する性質を持つ。
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