日本生産性本部は7月12日、「サービス品質の日米比較」「サービス価格の日米比較」調査を発表した。
調査結果では、日本のサービス品質は、米国滞在経験のある日本人・日本滞在経験のある米国人ともに、今回対象とした28分野のほとんどで日本のサービス品質が米国を上回ると認識している。
特に、日本人調査では、宅配便や地下鉄、コンビニエンスストアなどといったサービスを中心に日本のサービス品質が10~20%程度米国を上回っている。
一方、日本のサービス価格は、米国より低いと認識する分野が大幅に増加。宅配便などを中心に米国より高いサービス品質を保っているものの、それが十分に価格に反映できていない状況にあるとしている。
米国滞在経験のある日本人は、宅配便やタクシー、コンビニエンスストアなどの分野で日本のサービス品質が米国を15~20%程度上回っていると認識。ホテルや百貨店などでも10%程度米国より品質が高いと考えている。
日本滞在経験のある米国人も、地下鉄やホテル(高級)などを中心に日本のサービス品質に対する評価が米国より高くなっている。
日本のサービス価格は、日本人が大学教育・クリーニングなど9分野、米国人もホテル(中程度及び高級)・宅配便など15分野で米国より低いと認識。
前回調査(2009年)では日本人・米国人ともに対象18分野中17分野で日本のサービス価格が米国を上回っていたが、今回調査をみると日本の価格の方が低くなっている分野が大幅に増加した。
なお、サービス産業の労働生産性水準は米国の半分程度にとどまっているが、その原因の一つに高いサービス品質が生産性に十分反映されていない点が挙げられている。
実際、2009年に日本生産性本部が実施した調査でも、多くの分野で日本のサービス品質が米国より高い評価を得ている。
ただ、調査実施から8年を経過していることもあり、日本生産性本部は深尾 京司・一橋大学経済研究所教授を主査とする「サービス品質に関する日米比較調査研究会」を立ち上げ、現在の日本のサービス品質を日本人及び米国人がどう評価しているのかについて調査を実施した。
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