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健康リスク業種別ランキング/最も高い業種は「運輸」

2017年07月27日/調査・統計

ドクタートラストは7月27日、ストレスチェックの実施を受託した321の企業・団体での集団分析データをもとに、健康リスク業種別ランキングを算出した。

<業種別・健康リスク総合ランキング>
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それによると、健康リスクが最大となった業種は「運輸」で、値は112。次いで「医療・福祉」が111。この2業種が突出しており、7ポイント開いて「生活・娯楽」104、「製造」103、「宿泊・飲食」102と続いた。

一方でランキングの最下位、すなわち健康リスクが最小の業種は「郵便等」で87。ランキング1位の「運輸」とは、25ポイントもの差がついた。2番目に小さいのが「学術・専門」96、そして「インフラ」97が続いている。

「健康リスク総合ランキング」は、「仕事の負担・コントロール」リスク、および「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクという2つの指標をかけ合わせた数値。したがって、2つの指標の意味と現状を知ることが、健康リスクを理解するためには必要。

<業種別・健康リスクA(仕事の負担・コントロール)ランキング>
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「仕事の負担・コントロール」リスクとは、個人ごとの仕事の負担と、それをいかにコントロールできているか、そのバランスがストレスに及ぼす影響を示している。

例えば、仕事の量が多かったり困難な業務内容であったりしても、それを自分なりのやり方やペース配分で行うことができればストレスは高くならない。その場合、リスク値は低く出る。

ところが仕事の負担はそれほどではなくても、順番ややり方が固定され、自らの裁量が生かせない状況では、ストレスは高まり、リスク値は高く出る。

「業種別・健康リスクA(仕事の負担・コントロール)ランキング」では、トップは「医療・福祉」で105。以下、「金融」104、「建設」103と続いている。最下位、つまり「仕事の負担とコントロール」を起因とするストレスが最も低い業種は、「郵便等」で92だった。

<業種別・健康リスクB(上司・同僚とのコミュニケーション)ランキング>
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もう一方の「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクは、職場の上司や同僚とのコミュニケーションがストレスに及ぼす影響を示している。

一般に仕事自体はきつくとも、コミュニケーションが豊富な職場はストレスがたまりづらい傾向があり、逆に仕事の負担が少なくても、一人ひとりが孤立しがちでコミュニケーションが乏しい職場はストレスが高くなる傾向がある。

このリスク値は、コミュニケーションが豊富ならば低く、不足していれば高く出る。

「業種別・健康リスクB(上司・同僚とのコミュニケーション)ランキング」のトップは「運輸」で110。次いで5ポイント差で「医療・福祉」105。以降、「生活・娯楽」104、「製造」103と続いている。

「運輸」とは、トラックやオートバイ等の乗り物で荷物や旅客を運ぶ仕事であり、単独で行う業務が多くある。

それゆえ、「上司・同僚とのコミュニケーション」が「物理的」に少ないことはやむを得ないかもしれない。また、ネット通販市場の拡大や訪日外国人の急増などによって物流量や旅客輸送が増加し、さらに慢性的なドライバー不足という問題も抱えている。

そうした厳しい環境職場だからこそ、従業員同士のコミュニケーションが欠乏していることもあり得る、としている。

■調査概要
調査対象:ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービス 2016年度契約企業・団体の一部
企業・団体数:321 
有効受検者数:7万2311人(男性4万6375人 女性2万5936人)

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