川崎汽船グループのフィリピン・マニラでの海事技術者研修施設“K” Line Maritime Academy Philippines (KLMA(Phil))を強化・拡張するため、既存施設に隣接して建設を進めていた新ビル「OCEAN BREEZE」が竣工し、3月2日、開所した。
オープンした「OCEAN BREEZE」は、最新の医療機器を備えた船員用クリニックや225名が利用可能な宿泊施設(既存ビルと合わせ282名利用可能)を有するとともに、上層階にはオフィス・フロアーをもつ11階建ての複合施設で、ますます重要化するフィリピン人船員のみならず、運航船のすべての船員の確保・育成の象徴的な施設となる。
ビルには駐在員事務所をはじめ、船員のマンニング会社、海運代理店、ロジスティックス関連会社などのグループ会社が入居し、グループ内のシナジー効果も期待されている。
川崎汽船では、グループ一丸となって優秀な海事技術者の確保・育成を進め、安全運航をベースとした高品質な輸送の維持・向上を図っていくとしている。
なお、川崎汽船のフィリピンでの船員育成に関する取り組みは、1993年の“K” Line Maritime Training Corporation (KMTC) 設立に始まる。
KMTCはその後、2008年2月に完成した既存ビル「“K” Line Building」内でKLMA(Phil) として拡大を図り、現在では年間延べ1万人の受講者を受け入れ、川崎汽船の事業基盤である「船舶の安全運航と環境保全」を支える大きな柱のひとつとして、安定的に良質な船員の確保と育成を行っている。