国土交通省は12月25日、11月にタイのバンコクで開催された「第16回日ASEAN交通大臣会合」において、「日ASEANコールドチェーン物流ガイドライン」が正式承認されたと発表した。
<コールドチェーン物流のパターンB to B の場合 日 ASEAN コールドチェーン物流ガイドライン (仮訳)より>
ガイドラインの概要はASEAN各国でのコールドチェーン物流のレベルと特徴を考慮したうえで、「倉庫事業者」、「輸送事業者」が冷蔵・冷凍保管と保冷輸送を行う際の留意事項及び「各国物流担当省庁」がコールドチェーン物流に関する制度立案やインフラ整備等を行う際の考慮すべき事項を盛り込んでいる。
ガイドラインでは、ASEAN各国で冷蔵、冷凍、定温に区分された低温帯による温度管理が必要な食品類を対象とし、また、倉庫事業者と輸送事業者による「Business to Business (B to B)輸送」を対象としている。
なお、近年、ASEANでは経済成長に伴い、食生活の多様化等、消費生活様式が変化しつつあり、コールドチェーン物流の重要性が高まりつつある一方、多くの国で、安価であるが粗悪な物流サービスが提供されており、結果として、コールドチェーン物流の需要の高まりを阻害することとなっている。ASEANでの我が国物流事業者のビジネスチャンスが制限されていた。
このような状況に対応するため、国土交通省は日本の物流事業者とともに、ASEANにおけるコールドチェーン物流に関するガイドライン案を作成し、ASEAN各国の行政官と議論を重ね、今年11月にタイのバンコクで開催された「第16回日ASEAN交通大臣会合」において、「日ASEANコールドチェーン物流ガイドライン」として正式に承認されるに至ったもの。
国土交通省は、英語で作成されているこのガイドラインを日本語に翻訳し、今後更にASEAN各国の言語に翻訳した上で、ASEAN各国のガイドラインあるいは国家規格へのカスタマイズへの支援を行っていくとしている。
■日 ASEAN コールドチェーン物流ガイドライン(仮訳)
http://www.mlit.go.jp/common/001266807.pdf