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景気動向調査/年末需要増大もあり「運輸・倉庫」は2か月連続改善

2019年01月10日/調査・統計

帝国データバンク(TDB)は1月10日、「TDB 景気動向調査(全国)― 2018 年12月調査」で、「運輸・倉庫」は景気DIが0.2ポイント増と2か月連続改善したと発表した。

軽油価格が11月末から全国平均で1リットル当たり6.3円低下するなど、燃料価格の下落傾向が続いた。さらに、建材関連や食品などで年末需要が増大し荷動きが活発化したことを追い風に、貨物自動車運送のほか、利用運送や内航船舶貸渡の景況感が改善した。

また、冬季賞与の増額を背景に年末年始の長期休みを利用した海外旅行や国内旅行の予約数が増加し、旅行業へプラスに働いた。一方で、雇用過不足 DI(非正社員)は過去最高を更新した。

業界別の景況感企業の声では、現在の状況を「年末により取扱量が増大(冷蔵倉庫)」、「11月に続き大型車の輸送依頼が多く、倉庫需要も多い(一般貨物自動車運送)」、「運賃の上昇機運が高く、人手不足から荷主の理解が進んでいる(一般貨物自動車運送)」がある一方、「人手不足が顕著に影響している(一般乗用旅客自動車運送)」、「港湾における貨物の動きは停滞気味である(普通倉庫)」の声も。

先行きについては、「当面は、東京五輪の関連需要が見込まれる(一般貨物自動車運送)」、「燃料高騰がほぼ一巡した一方、売り上げ面では値上げ効果が出てくるとみている(一般貨物自動車運送)」とある一方、「消費税増税が実施されれば非常に悪くなる(一般乗用旅客自動車運送)」との声もあった。

全体では.2018年12月の景気DIは前月比0.1ポイント減の49.4となり、2 か月ぶりに悪化した。国内景気は年末需要がみられたものの、一方で人手不足に拍車をかけたほか、輸出減速などにともない製造業が悪化するなど、弱含み傾向が続いた。

今後は、消費税率引き上げにともなう需要増と反動減が予想されるほか、中国など外需の減速や日米通商交渉の行方が懸念され、不透明感が一層強まっている。

業種ごとでは、10業界中3業界が悪化、6業界が改善、1業界が横ばいとなった。年末需要が人手不足に拍車をかけるなか、中国向け輸出の減速などが製造業の景況感を押し下げた。

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