靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」を運営するロコンドは11月7日、千葉県八千代市で建設される同社専用物流施設「GLP八千代III」の起工に合わせて会見を開き、オペレーション本部の中村知貴シニアマネージャーが拠点開設の経緯や、急拡大する同社の事業について説明した。
<GLP八千代III完成イメージ>
GLP八千代IIIは、日本GLPが建設する地上4階建て延床面積5万9000m2の物流倉庫で、2021年1月の竣工が予定されている。
ロコンドは、このほかにも八千代市内で日本GLPが建設したGLP八千代Iの3万3000m2を賃借しているほか、GLP八千代IIIの建設地から徒歩4分の場所で建設が進められているGLP八千代II(5万4000m2)も専用施設として借り受ける予定。
GLP八千代IIが2020年4月に稼働後完成後、GLP八千代Iの拠点をIIに移転集約し、最終的にはGLP八千代IIとIIIの2棟・計11万3000m2を全国配送の物流拠点として運用する計画だ。
<ロコンド オペレーション本部の中村知貴シニアマネージャー>
これほどの短期間に相次いで倉庫を拡張する必要性について、中村シニアマネージャーは、「本業のECサイト運営以外に、1年半程前からサイト出店企業の物流を受託する3PL事業を開始している。今も複数のメーカーと商談を進めている最中だが、取引先1社に対して数万足の商品を預かるため、取引が増えるとすぐに倉庫スペースが埋まってしまう」と説明。
また、「来年4月にはGLP八千代IIへの移転で倉庫面積が現状の1.5倍に拡大するが、今後の物量増加を見据えるとまだ足りない状況で、新たな倉庫の確保を検討し始めた頃に日本GLPから八千代IIIも利用しないかという提案があった。これだけ巨大な倉庫を探すとなると立地場所が限られるため、どうしても拠点を分散せざるを得ないと考えていたが、八千代IIIはIIから徒歩4分の立地に建設されるということで、まさに渡りに船の状態だった」と、八千代IIIへの入居を決めた当時の状況を振り返った。
今後の事業については、「八千代IIとIIIで計11万3000m2ものスペースを確保できたことから、格納場所を気にせずに事業を広げていける。想像を絶する広さなので先のことはまだ考えられないが、創業時から倍々で在庫が増えている状況を踏まえると数年先には新しい倉庫が必要になってくるだろう。その際には、この八千代の近くで拠点を探すことになる」と、早くも次期新拠点の構築に対する展望を語った。
新拠点での従業員雇用については、「現在、八千代Iではパート・アルバイトなど300人程度が働いている。これから八千代IIへの移転で新に200人規模の人材が必要になる」としたほか、「今後の採用難も想定し、いくつかの工程で機械化を検討している」とコメント。
また、計3棟の施設提供を受ける日本GLPに対しては、「一般的なマルチテナント型施設だと、ECの倉庫として使う場合にバースやエレベーター等の数が多過ぎる。日本GLPは、施設開発の初期段階からこちらの要望を聞き入れ、ニーズに合致した施設を提供してくれる。これからも長い間パートナーとして付き合っていけたらと思っている」と語った。
具体的にGLP八千代IIIでは、女性従業員が多いロコンド特有の事情を考慮して女性用トイレを増設するほか、1階の防火区画壁を全て防火シャッターにすることで1フロア1万3000m2のほぼ壁が無いスペースを構築し、レイアウトの柔軟性を高める工夫が施される計画となっている。
■GLP八千代III
所在地:千葉県八千代市緑が丘西6
敷地面積:2万9000m2
延床面積:5万9000m2
構造:地上4階建て、耐震・鉄骨造
着工:11月
竣工:2021年1月
認証取得:CASBEE(予定)
総投資額:110億円
ANA/6月の貨物重量は国際線10.8%増、国内線10.9%増