日立建機は6月18日、LIXILと四日市港での輸出入用のコンテナを共同利用する、コンテナラウンドユース(CRU)を6月19日より開始すると発表した。
<オランダへ輸出するミニショベルをコンテナに積み込む様子1>
<オランダへ輸出するミニショベルをコンテナに積み込む様子2>
<日立建機ティエラとLIXIL水口物流センターのコンテナラウンドユースの流れ>
この取り組みは、日立建機が進めている国内の開発・生産拠点の再編に伴う動きで、日立建機の物流事業を担う日立建機ロジテックが、コンテナラウンドユースに最適な物流体制をLIXILと協力して構築し、実現。
これにより、コンテナの輸送距離が減るため、ドライバー不足やCO2排出量の抑制、輸送費の低減に寄与する。
コンテナラウンドユースは、輸入企業が使用した空のコンテナを輸出企業が継続して利用するもので、平常時において物流を効率化できるため、また東京五輪開催時の会場周辺での交通混雑に伴う物流の遅延や停滞を回避するため、近年、東京港など関東地方では主流になっている取り組み。
今回は、空のコンテナをトラックに積載したまま荷役作業を行う「オンシャーシ方式」を採用した。国際貿易港である四日市港(三重県)から、滋賀県甲賀市の水口工業団地にあるLIXIL物流の水口物流センターにて輸入で使用したコンテナよりエクステリア商材などを荷降ろし後、約1.5km先(同工業団地内)の日立建機ティエラに回送する。日立建機ティエラにてミニショベルやミニホイールローダなどを積み込んだ後、再び輸出のために四日市港に運ぶ。
LIXILと共同利用することで空のコンテナの輸送距離が減るため、従来と比べてCO2排出量を年間約40トン抑制し、輸送費は約20%低減する。また、利用するトラックの台数を減らすことができるため、トラックドライバー不足や周辺の交通量の低減にも寄与する。
日立建機は、グローバル競争力を強化するため、2018年度より国内の開発・生産拠点の再編を進めている。今年度、日立建機ティエラでは新たにミニホイールローダの生産を開始(龍ケ崎工場から移管)した。
この再編により、輸出される建設機械が中長期的に増加する見通しの日立建機ティエラを、ミニショベル、ミニホイールローダの最適な生産拠点にするため、従来の物流体制を見直し、異業種であるLIXILとのコンテナラウンドユースの仕組みを構築したもの。
今後は、他の貿易港でもコンテナラウンドユースの拡大をめざす、としている。