ヤマト運輸と日野自動車は、2021年11月24日から日野が開発した超低床 ・ ウォークスルーの小型BEV Battery Electric Vehicle トラック 「日野デュトロ ZEV」を用いた集配業務の実証実験を開始すると発表した。
近年、持続可能な物流の実現に向けた温室効果ガス排出量の削減など、環境に配慮した取り組みの重要性が高まっている。ヤマトグループは、経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」 2020 年1月発表) の長期目標として「2050年CO2排出実質ゼロ」 を掲げ、 環境に配慮し、かつ ドライバーにとって実用性の高い低炭素車両の導入を進めている。
日野は、「日野環境チャレンジ 2050 」( 2017年発表)で環境負荷ゼロへのチャレンジを掲げており、2021年4月には中間目標となる「日野環境マイルストーン 2030」を設定し、カーボンニュートラルの実現に向け取り組みを加速している。また 「日野デュトロ ZEV 」など、環境配慮を含む物流最適化に貢献する各種ソリューションの開発・提供に取り組んでいる。
ヤマト運輸と日野は 「日野デュトロ ZEV」を用いた集配業務の実証実験を開始する。この実証実験では、温室効果ガス排出量削減効果や、集配業務での効率性・作業負荷低減の効果などを確認する。
ヤマト運輸の福田 靖執行役員 グリーンイノベーション開発部長は「当社は、日本全国に多くの事業所、車両を保有しており、環境に配慮する取り組みを進めることは責務であると認識している。『2050年CO2排出実質ゼロ』の達成に向けた取り組みをさらに加速させるにあたり、今回の日野自動車との実証実験はとても大きな役割だと感じている。環境に配慮することはもちろん、持続可能な取り組みとしてい くには働くドライバーにとって実用性の高い車両でなければならない。今回の実証期間でその点も検証し、今後導入に向けて検討していく」とコメント。
日野 デュトロ ZEVの東野 和幸チーフエンジニアは「今回の実証で称する『日野デュトロ ZEV』は、荷物を生活者に届ける『物流のラストワンマイル』の現場でのさまざまな課題を解決するために企画・開発した。ヤマト運輸との実証を通じて、宅配業務の現場でのリアルな要望を集約し、さらにの顧客の役に立つ車に進化させていきたいと考えている。そして、この「日野デュトロ ZEV」によって、カーボンニュートラルの実現と多くの事業者の課題解決に貢献していきたいと思っている」とコメントしている。
■実証実験の内容
実証期間:2021年11月24日~22年5月末(約6か月)
実証台数: 2台
車両: 日野デュトロ ZEV
実施場所: ヤマト運輸日野日野台センター(東京都日野市)
ヤマト運輸狭山中央センター (埼玉県狭山市)
■車両の特徴
コンパクト:小型トラックで、 普通免許で運転が可能
低いヒップポイント:運転席の乗降がスムーズ
ウォークスルー構造:運転席から荷室への移動がしやすく、作業性向上
超低床構造:荷室への乗降がしやすく、ドライバーの負担を軽減
高い静粛性:周辺環境にも配慮
安全技術 :市街地走行に必要な先進安全技術を装備
(後退時の誤発進抑制装置はクラス初)