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ESR/ARAアセットマネジメントの買収完了、APAC最大規模に

2022年01月26日/SCM・経営

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ESRケイマン・リミテッド(ESR)は1月26日、2022年1月20日に取引額52億米ドル(約5910億円)で子会社LOGOSを含めたARAアセットマネジメント(「ARA」)の買収が完了し、ニューエコノミー(デジタル時代)に後押しされ拡大した新生ESR(ESRグループ)は、1400億米ドル(約15兆9040億円)のAUMを誇る、APAC最大、上場企業として世界第3位の不動産アセットマネジメント会社になったと発表した。

この取引の完了により、多角的な事業領域で築いてきたARAの企業基盤と物流不動産に特化し築いてきたESRの企業基盤がESRブランドの下で統合され、同グループはeコマースの加速、デジタルトランスフォーメーションの推進、不動産の金融化など、APACで加速する市場構造やビジネスモデルの変化を活かせる有利なポジションを確立できたとしている。

ESRグループのジェフリー・パールマン会長は「この度、ニューエコノミー(デジタル時代)に後押しを受けESR、ARAとLOGOSの3社が構築してきた企業基盤が統合し、APAC最大の不動産アセットマネジメント会社が誕生したことを大変嬉しく思っている。デジタルテクノロジーの発展により、eコマースの加速、デジタルトランスフォーメーションの推進、不動産の金融化など、不動産業界でも市場構造やビジネスモデルの一世一代の変化を目の当たりにしている。ESRグループは人材・リソースと事業拠点など規模が拡大し、先進的物流施設・データセンター(=ニューエコノミー不動産)の開発、ニューエコノミー不動産セクターへのダイナミックな投資機会・ソリューションの提供をさらに加速させていく。全てのステークホルダーに長期的な価値をもたらし、持続可能な社会の実現に貢献すべく、企業価値を高めていく」と述べている。

なお、ESRのジェフリー・パールマン会長とESRのジェフリー・シェン、スチュアート・ギブソン共同創設者兼共同CEOは、統合されたリソースや事業領域、市場が拡大した企業基盤の下で、ESRグループを引き続き指揮していく。

JLLによると、物流施設、データセンター、上場リートといったAPACで最も成長著しいセクターにおいて、ESRのTAM(獲得可能な最大市場規模)は7500億米ドル(約85.2兆円)から2兆5000億米ドル(約284兆円)へと3倍に拡大する可能性があるとされている。eコマースの継続的な拡大とサプライチェーンのローカライゼーション(現地在庫の充実を含む)に成長を支えられ、物流施設は2030年までに最大3.4倍の1兆米ドル(約113.6兆円)規模に、データセンターは3.9倍の1500億米ドル(約17兆円)規模に成長すると予測されている。

米国リート市場の時価総額は20年前の約1000億米ドル(約11.3兆円・GDPの1%)から、今日約1兆2000億米ドル(約136.3兆円・GDPの6%)にまで成長しているが、APACでも同様にリート市場が急成長すると予測されている。JLLはAPACのリート市場は現在の時価総額4070億米ドル(約46.2兆円・GDPの1%)から10年後には3.2倍の1兆3000億米ドル(約147.7兆円・GDPの2%)へ成長すると予測している。

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