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三菱造船と日本郵船/大型LCO2船の設計基本承認(AiP)を取得

2022年05月16日/IT・機器

三菱重工グループの三菱造船ならびに日本郵船は5月16日、共同で実施している船舶による二酸化炭素(CO2)輸送技術の開発に関し、日本海事協会(NK)から設計基本承認(Approval in Principle : AiP)を取得した。

<液化CO2輸送船(LCO2船)のイメージ図>
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<NKより取得したAiP証書>
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<LCO2船イメージ動画>
設計基本承認(AiP)とは、認証機関が基本設計を審査し、技術要件や安全性の基準を満足すると承認されたことを示すもの。今回は液化ガスをばら積で輸送する船舶に適用されるIGCコードおよびNK船級規則に基づき、審査が実施された。

LCO2船では低温かつ圧力の高い状態で液化されたCO2ガスを、カーゴタンクシステムに格納して輸送する。カーゴタンクシステムのデザインは液化CO2ガスの温度、圧力条件に大きく依存するため、将来の大量輸送実現へ向け同システムや船体の大型化が、重要な技術開発課題となっていた。

この課題に対応すべく、三菱造船と日本郵船は共同で実施しているLCO2船開発において、中型、大型の複数船型につき、異なるタンクの圧力設定を考慮したそれぞれのカーゴタンクシステムと船体部分について、その成立性や規則、基準への適合性を確認し、AiPを取得した。

三菱重工グループはエナジートランジション(低環境負荷エネルギーへの転換)の事業強化に戦略的に取り組んでいる。その一翼を担う三菱造船は、LCO2船の開発および事業化を積極的に推進しており、今回の大型LCO2船に関するAiP取得はその実現に大きく寄与すると考えている。

日本郵船は、大型船によるCO2輸送技術の確立がカーボンニュートラル社会の実現に大きく寄与すると考え、CCUSバリューチェーンにおける多様な技術を有する三菱重工グループと一体となり、中小型船のみならず大型LCO2船運航の早期実現を目指し取り組んでいる。同社はAiPを取得した船型をもとに、さらなる大型化を含む各プロジェトに適した船型の検討を進め、今後さらにCCUSバリューチェーンへの参画を促進する。

三菱造船と日本郵船は、相互補完となる各社の強み・知見を活用し、現在実施している共同開発事業を進めるとともに、今回取得したAiPを通じてCCUSバリューチェーン構築に必要なLCO2船を含む各種技術の開発に引き続き尽力し、カーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献していくとしている。

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