ブリヂストンは8月29日、ソフトロボットハンドを用いた物流現場でのピースピッキング作業の自動化に向けた実証実験を開始したと発表した。
<ソフトロボットハンドによるピッキング作業のイメージ>
ブリヂストンのソフトロボティクス事業は、人と協働することができる柔らかいロボットを活用して、「安心・安全なヒト・モノの移動と動き」を支える、同社グループの化工品・多角化事業の新たな挑戦だ。
同社グループの強みである「ゴムを極める」「接地を極める」技術をコアコンピタンスとして、タイヤやホースの開発・生産でのノウハウを活用したラバーアクチュエーター(ゴム人工筋肉)を開発し、事業化へ向けてビジネスモデルの探索を進めている。
2022年7月から開始した今回の実証実験では、日用品や雑貨の卸業、ロボットメーカーなどの複数のパートナーと共に、ブリヂストンのラバーアクチュエーターを搭載したソフトロボットハンドを用いて、物流倉庫などでのピースピッキングの自動化に取り組んでいる。
一般的なロボットハンドでは、1種類でチューブやボトル、パウチなど様々な形・硬さ・重さのモノをつかむことは難しく、ピースピッキングの自動化が課題となっているが、同社グループのラバーアクチュエーターを搭載したロボットハンドでは、「ゴムの力を活かし1種類のロボットハンドで多種多様なモノを”いい感じ”につかむことが可能」だという。
実証実験の開始に際し、「現在、少子高齢化やCOVID-19によるヒト同士の非接触の視点から、ヒトが介在する作業の自動化へのニーズが高まり、ヒトと協働できる”ソフトロボティクス”が注目されている」と、ブリヂストン ソフトロボティクス事業準備室の音山哲一室長。同社は今後、様々なパートナーと共に実証実験を重ね、物流現場のピースピッキング用のソフトロボットハンドを早期に実用化、ソフトロボティクス事業として次期中期事業計画(2024-2026年)での小規模事業化を目指すとしている。
■ブリヂストン ソフトロボットハンド ピースピッキング