IHIとJFEスチールは12月13日、既存構内搬送車両への後付けユニット搭載による自動搬送システムの実証試験を、JFEスチール東日本製鉄所京浜地区の構内で、2023年2月から実施すると発表した。
IHIは、トラックドライバーの労働力不足や労働環境改善を目的とした工場構内搬送車両の自動化技術を開発しており、2019年度からJFEスチールと同システムの実運用に向けた共同研究を開始。走行・転回・停止に係わる基本的な自動化機能の開発を完了した。IHIとJFEスチールは、この開発を実環境で検証するため、JFEスチール東日本製鉄所京浜地区内の搬送ルート(約3km)の一部区間で100トンの実貨物を積載したトラクタトレーラーを用いた搬送試験を行う。
また、ルート上の交差点や横断歩道に標識などの設置、ならびに信号制御を行うことで、他車両や歩行者へ自動搬送車両の接近を知らせる適切な交通整理方法を検証。同検証を通してより安全な搬送工程の実現および受容性の向上を図る。併せて、車載周囲物体検知センサーの数量・設置箇所等の仕様検討も進め、2023年度に全区間での実証試験完了を目指す。
今後、IHIとJFEスチールは、JFEスチール東日本製鉄所京浜地区で同システムを複数ルート、複数車両に展開し、革新的な生産プロセスを実現していく。
IHIは同システムを含め、荷役機械や自動倉庫など様々な自動化・省人化設備のラインアップを組み合わせ、業界や搬送物を問わず、顧客の課題を解決するソリューションを提供し、社会の発展へ貢献していくとしている。