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セイノーHDほか/徳島県佐那河内村でドローン配送実証実験

2023年03月27日/IT・機器

セイノーホールディングスとエアロネクスト、NEXT DELIVERY、KDDIスマートドローンは3月27日、徳島県佐那河内村役場庁舎を起点において次世代高度技術の活用により新しい物流サービスの構築を目指した「中山間地域におけるドローン配送」の実証実験を3月24日に実施したと発表した。

<使用したドローンを前に写真向かって左よりエアロネクスト田路圭輔代表取締役、岩城福治佐那河内村長、セイノーHD 和田悟事業推進部ラストワンマイル推進チーム新スマート物流推進プロジェクトマネージャー、KDDIスマートドローン博野雅文社長>
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<地元シイタケを搭載した物流専用ドローン”AirTruck”の着陸を見守る佐那河内村の保育園児(佐那河内村役場駐車場)>
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<2人分のお弁当とお茶を配送し再度離陸した物流専用ドローンン”AirTruck”(佐那河内村保健センター前)>
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具体的には、NEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが連携して、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流”SkyHub“の社会実装の検討に向けて行われたもの。

今回の実証実験では、1.福祉分野での弁当配食サービス、2.農業分野での軽作物輸送、3.買い物代行サービスの3点について、住民の理解度向上、地域課題の洗い出しを目的として、仮設のドローンデポとドローンスタンドを設置して実施。

ドローン配送の実証はエアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruckを使用し、機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズの運航管理システムを活用した。

3月24日の公開では、軽作物輸送を想定して、嵯峨老人憩の家から佐那河内村役場までの片道約1.6㎞を約4分で、弁当配食サービスを想定して、佐那河内村役場から佐那河内村保険センターまでの片道1.8㎞を約4分で、買い物代行サービスを想定して、佐那河内村役場から桜集会所までの片道4.1㎞を約9分のドローン配送を実施した。

<ドローンと車のリレー配送でJAまで届けられた佐那河内村産シイタケ(佐那河内村役場駐車場)>
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<日本発物流専用ドローン“AirTruck”で配送された2人分のお弁当とお茶>
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弁当配食サービスを想定したお弁当を受け取った東條千惠さんは、「早いので驚いた。田舎にはこういうサービスは必要。技術の進化もあると思うが、ぜひ今後実用化されるよう大いに期待しています。」とコメントしている。

なお、佐那河内村は徳島県内の中山間地域に属する地域であり、生活する上で車の運転が必須となっている。一方で、佐那河内村の人口と世帯は、2023年1月末現在で人口2171人、942世帯、高齢化率は47.6%となっており、運転免許証を返納する高齢者も増加傾向にある。運転免許証を持つ高齢者の中でも運転への不安があるため、村内でのみ運転をしている人もおり、これから先、買い物難民の増加が見込まれるほか、担い手不足のため過疎地に対する物流の問題が発生するなど、生活利便性の確保が困難になってきている。

その中で、佐那河内村ではスマートシティの推進や脱炭素社会構築、地域課題解決に向けた新たな取り組みを模索しており、今回の実証実験へと至ったもの。今後は実証実験で明確になった課題の洗い出しを行い、また、医薬品配送、フードデリバリーの配達代行、共同配送や貨客混載なども組み込み、地域コミュニティ活性化を目指し取り組みを進めていくとしている。

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