日本GLPは7月4日、千葉県流山市で進めてきた大規模物流施設開発プロジェクト「GLP ALFALINK流山」の全8棟が竣工したことを受けて、同施設で記者会見を開催した。
会見には帖佐 義之社長が登壇し、同プロジェクトにかけた思いと、これまでの歩みを語った。
日本GLPが流山市での物流施設開発に着手した2016年当時、同プロジェクトは3棟で完結する計画だった。
この段階では、「正直、市からはあまりいい顔をされなかったし、地域の自治会からも『生活の邪魔をしないでくれ』という反応が多かった」と帖佐社長。従来の安全や情報の秘密性を最優先にした物流施設の在り方から、当時は同社のプロジェクトを嫌悪施設として見られることが多かったという。
そこで、地域に開かれ調和した物流施設を作るべく、当時、神奈川県相模原市で立ち上げた「ALFALINK」ブランドのコンセプトである「Open Hub」を流山での施設開発にも取り入れ、物件名もALFALINK流山に改称。敷地内の公園やカフェテリアなどの共用スペースを地域住民へ開放したほか、流山市の協力を得て、物流現場の社会科見学や夏休みの課外学習の受け入れ、交通安全教室の開催、ヨガやスポーツ促進イベントの開催など、累計100回以上の地域との交流イベントを開催し、今では地域に受け入れられ、良好な関係性を築いている。
また、ALFALINK流山の成功は、「井崎 義治市長による同プロジェクトへの熱い思いが後押しした」と帖佐社長は語る。
井崎市長は、日本GLPによる地域に開かれた物流施設というALFALINKのコンセプトに共感。自らが先頭に立ち、アルファリンク流山が体現する新しい物流施設の在り方をさまざまな場所で説明した。現在では、同市から紹介を受けた他の自治体がALFALINK流山を見学に訪れ、「ぜひ、うちの街にもALFALINKを展開してくれないか」とオファーが来るまでになっている。
さらに、堀江貴文氏が運営するYouTubeチャンネルに井崎市長が出演した際にも、市長が堀江氏にアルファリンク流山を紹介し、同施設での対談が行われるなど、今や多方面に存在が周知されており、「いま日本一有名な物流施設ではないだろうか」と帖佐社長。
このたび全体竣工を迎えたALFALINK流山は全8棟構成で93万m2、総投資額約2000億円という日本GLP史上最大のビッグプロジェクトとなった。全8棟の施設には大手EC企業やメーカー、小売業など60社超が入居し、現時点で一部を除きほぼ満床状態となっており、帖佐社長は「かつてない、とてつもないスケールのプロジェクトをほぼ満床の状態で全体竣工を迎えられたことは大成功」と、プロジェクトを評価した。
また、最終棟として7月4日に満床竣工を迎えた「GLP ALFALINK流山4」のテナント企業には、ALFALINK流山の他の棟から拠点を移転拡大した企業が複数社いたことに触れ、「ALFALINKのコンセプトである『Integrated Chain』や『Shared Solution』、そしてGLPコンシェルジュといった機能やサービスを通じてカスタマーのビジネスの成長をサポートすることができた。カスタマーにALFALINKのコンセプトが評価され、浸透している証だ」と、ALFALINKがもたらした効果を強調した。