NX総合研究所は7月7日、「2023年度経済と貨物輸送の見通し(改定)」を発表した。
このうち、国内貨物輸送の現状と見通しでは、建設関連貨物が下押し、総輸送量は2年連続のマイナスになるとみている。総輸送量は2022度通期で1.6%減、2023年度も0.2%減に。また、消費関連貨物の2022年度は3.5%減と低迷の後、2023年度は1.8%増に。前年度における大幅減の反動もあってプラスへ転換も、個人消費が伸び悩む中で、1.8%増にとどまる。日用品、食料工業品、農水産品などにはプラスの荷動きが予測されるが、いずれも伸び悩み。
また、生産関連貨物の2022年度は0.3%増、2023年度も0.7%増と伸び悩む。鉱工業生産には引き続きマイナスが見込まれ、かつ設備投資や輸出にも減速を予測。一方、原材料価格や電気料金の高騰に伴う需要下押し圧力が弱まる中で、トータルの輸送量は0.7%増と、前年度から若干加速。
そのほか、建設関連貨物の2022年度は2.1%減、2023年度も1.8%減に。雑貨輸送量の2022年度は2.0%減の後、2023年度は1.1%増とプラスへ転換。
輸送手段別では、鉄道は、2023年度のJRコンテナは4年ぶりにプラスへ転換。自動車では2023年度の営業用自動車は2年ぶりにプラスへ転換。内航海運は鉄鋼や化学工業品に持ち直しの動き。そして国内航空は2023年度は伸び縮小も引き続き増加に、としている。
一方、国際貨物輸送については、外貿コンテナ貨物は、世界経済が緩やかな回復基調を維持する中、輸出は2.0%増とプラスに転換。輸入は消費財が低調も生産財の荷動きが回復し、1.1%減と小幅なマイナスになるとしている。
国際航空については、輸出は半導体関連の停滞と海上シフトの長期化により、7.8%減とマイナス継続。輸入は消費財の荷動きが引き続き低調、6.5%減と2年連続のマイナスになるとしている。
なお、日本経済については、2023年度の実質経済成長率は0.7%増とさらに減速するとみている。実質GDPはコロナ前(2019年度)の水準にようやく到達としている。
NX総研/2024年度は国内貨物輸送量1.0%減の予測 3年連続減少に