日本海事協会は8月18日、「FuelEU Maritime対応に関するFAQ(第1版)」を発行した。
<「FuelEU Maritime対応に関するFAQ(第1版)」>
欧州連合(EU)が、船舶で使用する燃料の脱炭素化の促進を目的として新たに導入するFuelEU Maritime規制の概説と対応について取りまとめたものとなる。
EUでは、温室効果ガス(GHG)排出量の2050年実質ゼロを目指し、GHG排出量を2030年までに1990年比で55%以上削減する目標を掲げている。FuelEU Maritimeは、この目標達成のための包括的な気候変動政策パッケージ「Fit for 55」の一環として、2023年7月に欧州議会及びEU理事会においてそれぞれ採択された。
海運会社を対象として、EUに寄港する5000GTを超える全船舶で使用される燃料に対するGHG強度の上限の設定、また、それらの船舶の内、港湾に係留中のコンテナ船および客船に陸上電源またはゼロエミッション技術の使用を義務付ける規定から構成されている。
日本海事協会は、FuelEU Maritimeへの対応を求められる海運ステークホルダーの準備を支援すべく、FAQ(第1版)を作成。本規制について概説するとともに、対応のための必要な準備について、Q&A方式で紹介している。
このFAQは、規制運用の詳細が判明次第、速やかに情報を更新していく。加えて同協会は、FuelEU Maritimeの要求を満たせない場合に発生する罰金の簡易計算ツールやより総合的な検討を支援する機能を、同協会のGHG排出マネジメントツール「ClassNK ZETA」に実装するなど、今後も顧客の円滑な規制対応への貢献に努めていくとしている。
■FuelEU Maritime対応に関するFAQ
https://www.classnk.or.jp/hp/ja/authentication/eumrv/index.html