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人手不足倒産/物流業は「2024年問題」目前に迫り厳しい局面に

2023年11月14日/調査・統計

帝国データバンクは11月14日、人出不足倒産の動向を分析し、2023年10月時点で累計206件が発生、そのうち建設/物流業が占める割合は52.9%で半数以上になったと明らかにした。

<人手不足倒産年間推移と業種別割合>
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足元の人手不足割合は、既にコロナ禍前と同水準まで上昇し、高止まりが続いている。2023年10月の人手不足倒産の件数は29件となり、年間累計で206件に達した。10月時点で年間ベースの過去最多を更新しており、2014年以降で初めて200件を上回る高水準となった。業種別の内訳をみると、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用される建設業と物流業の合計は109件だった。この2業種だけで全業種の過半数を占めており、既に「2024年問題」は顕在化した格好だ。

<人手不足倒産業歴別と人出不足倒産従業員数別>
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人手不足倒産について内訳をみると、業歴別では約4割にあたる84件が「30年以上」だった。長い業歴を有しているなかでも、人手不足が引き金で倒産するケースは多い。また、従業員数別では約75%が「10人未満」の企業で占められている。小規模事業者では、1人の退職ダメージが大きいことが原因と考えられる。

<コロナ禍以降における人手不足割合の推移>
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新型コロナが感染拡大したことで経済活動が止まり、一時的に人手不足は緩和されたものの、その後は景況感の回復にともない人手不足割合は再び上昇している。こうした状況が続いた場合、足元では物価高などにより各種コストが高騰し、人件費に割ける余力が残されていないというケースもみられるなか、人手不足倒産の件数はさらに増加しそうだ。

特に建設/物流業は「2024年問題」が目前に迫り、企業からは「仕事はあるが慢性的な人手不足のため受注することに躊躇している」(一般管工事、長野県)との声もあるなど、既に厳しい局面を迎えており、動向に注視が必要だ、としている。

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