三井不動産は12月5日、開発および管理運営を行う三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)・三井不動産インダストリアルパーク(MFIP)の従業員・トラックドライバーを対象とした顧客満足度調査を実施し、約7000人より回答が得られた(内、従業員約5700人、トラックドライバー約1300人)と発表した。
その回答内容の一部を公表した。
今回の定量調査ではトラックドライバーの約8割が休憩所や喫煙所をほとんど使用しておらず、使用していると回答した人の中でも約6割の人が「バース入庫までの時間がある場合」のみ設備を利用しているということが分かった。
個別ヒアリングの内容も含め、物流施設内において、常にバースへの入庫タイミングを気にしながら、時間に追われ、慌ただしく食事やトイレ等を済ませている実態が判明した。
<MFLP 海老名 I 喫煙所一体型の大規模トラック待機場>
<MFLP 茨木 トラック待機場に近接するコンビニ・ラウンジ>
個別ヒアリングでは、「荷主からの入庫許可の連絡に遅れたくないので、待機場でもトラックは離れません」(MFLP 市川塩浜 II)、「行き先がすぐにわかるよう、物流施設に入った瞬間に受付や入居企業が分かる看板表示があるとよい」(MFLP茨木、MFLP 日野)との声も。
三井不動産では、今後取り組む改善策として、ドライバーの荷待ち時間削減に寄与するHacobu社の「バース予約システム」を本年10月より全施設標準採用としている。更なるテナント企業の導入促進や、「バース予約システム」を入退場時の車番認証と連携することを一部施設で導入する等、一層の効率化の検討を進めていくとしている。
また、今回の調査結果を踏まえ、新築物流施設の設計段階において「 トラックドライバーが利用しやすい場所にあるトイレ、休憩所およびコンビニ等の配置検討」、「 動線、案内標識、サインをより効率性を重視した仕様に改善」、既存物流施設の管理運営においては「 トラックを離れずとも受けられるサービスの提供」を検討していく方針だ。
従業員を対象とした調査では、「防災センターの対応」「警備担当者の対応」「清掃状況」「ラウンジ」の施設のハードおよびソフト面の満足度について、「満足/大変満足」が8割以上を占めた。2018年、2021 年に実施した過去の調査に続き高い評価を維持できており、今後も施設のハードの充実と運営を中心としたソフトの改善を実施し、従業員が働き続けたいと思える施設づくりに取り組んでいくとしている。
さらに調査のフリーアンサーでは、施設の満足度について高い評価の声がある一方、従業員の管理者からは、労働力確保と雇用の維持において施設側の設計・運営上の細やかな対応が重要というニーズが確認できた。
従業員の声では、「職場が家から近い。施設が綺麗で休憩室にコンビニやテレビもあるので、寛げるから長く働きたい。(MFLP 日野)」、「一緒に働いている人達が、優しくて働きやすい。設備が整っており、車通勤が出来る。ラウンジが綺麗。トイレ等衛生面が清潔なので、働き続けたい(MFLP 海老名 I)」との声が挙がった。
従業員の管理者からは「立地場所、定期設備点検の対応力、防災センター・警備員の的確な対応等が安心できる」(MFLP 広島 I)」、「十分な座席スペース、清潔で十分な数のトイレ、空調環境が従業員の雇用には重要」(MFLP 船橋 I)」とのこと。
同社では、調査結果を全物件の所長にフィードバックし、各物件で一つ一つの結果を精査し、アクションプランの作成および必要な施策は予算化し、継続的な改善に努める。今後も定期的なCS調査を実施し、従業員のニーズに合わせた改善を継続し、選ばれる物流施設の開発・運営に取り組んでいくとしている。
三井不動産、日鉄興和不動産/25.6万m2の物流施設にかける思い