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KIC/あきる野DC公開、今後は都市型倉庫やデータセンターへ参入

2024年01月19日/物流施設

KICホールディングスは1月19日、東京都あきる野市で開発を進めていた物流施設「KICあきる野ディストリビューションセンター(DC)」で、入居検討者や投資家、メディア等を対象にした現地内覧会を開催した。

<KICあきる野ディストリビューションセンター>
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同施設は約45億円を投じて開発した地上4階て延床面積2万5905.04m2のボックス型施設で、2023年12月28日に竣工。最大2テナントが入居可能で、現在、企業誘致を進めている。

<トラックバース>
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<バース横に設けられたドライバー用トイレ>
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<倉庫(1階)>
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<倉庫(4階)は最大天井高7.5m>
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<上下搬送設備>
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トラックバースは1階に計31台分を整備。倉庫スペースの床荷重は各階で1.5トン/m2、天井高は5.5m(一部を除く)とした。上下搬送設備は、各区画に荷物用エレベーター2基と垂直搬送機1基を設置。エントランスや事務所等の共用部も区画ごとに1か所ずつ設けている。

<エントランス>
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<事務所>
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交通網へのアクセスは、中央自動車道「八王子IC」から4.6km、圏央道「あきる野IC」から3.8km、国道16号線「武蔵野橋南交差点」から1.5km、JR・西武鉄道「拝島駅」から1.7kmと恵まれており、東京都心や東京・埼玉の西部、神奈川と幅広いエリアを網羅できる物流適地に位置している。

また、同施設ではKICホールディングスが開発した他の物流施設と同様に、スマートソーラー社に屋根部分を賃貸し、太陽光発電設備で発電した再生可能エネルギーを供給するHES(Hybrid Electric Supply:複合型電力供給システム)を導入。発電した電力を入居テナントが直接消費できる地産地消・蓄電型の電力供給システムを採用する。

同システムによって、同施設で使用する電力の70%を再生可能エネルギーで賄うことが可能。テナント企業は環境への配慮とともに、電力コストを通常の10~15%程度低減することができる。蓄電地に蓄えた電力は停電時に事務所等の使用電力に用いることで、テナント企業のBCP(事業継続計画)対策として機能する。

さらに、敷地内には今後のEVの普及を想定し、充電ステーションを2基設置する予定で、これらの取り組みにより、同施設は省エネルギー性能の指標であるCASBEEのAプラス認証を取得している。

<KICホールディングスの峯田 勝之 会長兼社長>
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内覧終了後、KICホールディングスの峯田 勝之 会長兼社長は当社の取材に応え、今後の展望を語った。

事業展開については、物流施設開発で「新たに都市型の小規模施設についても開発を検討している」としたほか、新たにデータセンターの開発にも参入し、「3年後の着工に向けて開発計画を進めている」ことを明かした。

また、投資エリアを拡大するため、海外不動産投資に取り組むことにも言及。当初はロサンゼルスなど米国西海岸エリアを対象に既存物件を取得していく方針で、「ロス周辺は競争が激しいが、投資機会も多い。現地にパートナーがおり、今後は現地のネットワークを生かして物件の取得を進めていく」と語った。

さらに、2025年には東京証券取引所への上場と私募REITの組成に取り組むとし、REITには「自社で開発した5物件で総額200億円規模の物流施設を資産として組み入れる」とした。

<裏手の多摩川方面から望む「KICあきる野DC」>
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■「KICあきる野ディストリビューションセンター」概要
所在地:東京都あきる野市小川東1-1-7
敷地面積:1万4705.52m2(4448.41坪)
用途地域:準工業地域
構造:鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)
階数:地上4階
延床面積:2万5905.04m2(7836.27坪)
床荷重:1.5トン/m2
梁下有効高:5.5m(一部除く)
駐車場:104台(うちトラック駐機場5台)
駐輪場:50台
設備:荷物用エレベーター4基、垂直搬送機2基、太陽光発電設備(300kW)、蓄電池、EV充電器2基
着工:2022年10月15日
竣工:2023年12月28日

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