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日本郵船など4社/アンモニア燃料アンモニア輸送船建造を加速

2024年01月25日/IT・機器

日本郵船、ジャパンエンジンコーポレーション、IHI原動機、日本シップヤードの4社は1月25日、世界初となる国産エンジンを搭載したアンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGC)の建造に関わる一連の契約を昨年末に締結、2026年竣工へ向け取組みを本格化すると発表した。AFMGCの竣工は、海洋分野における脱炭素化の実現に向けた大きな一歩となる。

<アンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGC)イメージ図>
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4社は2021年10月、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるグリーンイノベーション基金事業への公募に採択され、協力機関である日本海事協会とともに5者(以下、コンソーシアム)で「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」プロジェクトを進めてきた。

アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されている。同コンソーシアムはAFMGCの開発・建造を通じ、国際海運ネット・ゼロエミッション達成を目指すとともに、アンモニアバリューチェーンの構築や日本の海事産業の強化に取り組む。

また、アンモニアを燃料として使用する船舶に関する国際ルールは現状未整備で、目下、国際海事機関(IMO)での検討が進められているが、同プロジェクトはAFMGCの建造・運航により得られた知見をもとに、国際ルール化に寄与することも目標としている。

AFMGC開発には、これまで難燃性や燃焼時に発生する亜酸化窒素の処理、さらにはアンモニアが持つ毒性などに課題があった。4社はこれらの課題を克服したプロトタイプ船を設計し、安全性と環境性について検証を重ね、社会実装に足る基準まで達したと判断し、AFMGC建造決定に至った。

今後、2026年11月竣工に向けて主機・補機の製造、本船建造に向けた詳細検討に着手する。また実運航に向けた運航マニュアルの整備などを進める。竣工後も、本船の実証運航を通じてさらなる改良につなげ、アンモニア燃料船開発の「ファーストムーバー」として開発サイクルの構築に努めるとしている。

■概要
船種:40000m3型アンモニア燃料アンモニア輸送船
引渡時期:2026年11月(予定)
造船所:ジャパンマリンユナイテッド 有明事業所
搭載エンジン
主機:ジャパンエンジンコーポレーション製
アンモニア燃料Dual Fuel(DF)2ストロークエンジン
補機:IHI原動機製
アンモニア燃料Dual Fuel(DF)4ストロークエンジン
主な技術開発要素:1.アンモニア燃料DFエンジンの開発
2.アンモニア燃料船 船体の開発

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