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ヤマト運輸/宅急便など約8割の荷物で「置き配」可能、6月から

2024年04月08日/3PL・物流企業

ヤマト運輸は4月8日、個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」を対象に、「宅急便」「宅急便コンパクト」において6月1日から「置き配」の選択を可能とする方針を発表した。

これまで「置き配」については、2020年に開始したEC事業者向けサービス「EAZY(イージー)」でのみ対応していたが、新たに「宅急便」「宅急便コンパクト」が追わることで、同社全体の荷物の約8割で「置き配」の選択が可能となる。

<ヤマト運輸 サービス商品部 久保田部長>
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同社サービス商品部 久保田 亮部長は、「社会の変化に合わせてサービスの在り方も変化している。コロナ過において非対面・非接触での受取り対応を開始し、最近では外出機会も増え社会的に『置き配』の認知・ニーズが高まっている。より多くの荷物で多様な受け取り方を選択できることで、顧客の利便性を向上したい」と目的を語った。

ヤマト運輸の年間取扱個数は約23万個(2023年3月時点)。このうち、「EAZY」の取扱個数は約5万個にのぼり、置き配指定率も2020年度の18.4%から、2023年には37.3%に増加している。こうした顧客ニーズの高まりと、「EAZY」での一定の運用実績を以て「置き配」サービスを拡大することとした。

対象となるのは、クロネコメンバーズ登録者約5万6000人。「クール宅急便」「宅急便着払い」「宅急便コレクト」は対象外となる。発送者側は個人・法人すべての荷物に対応。事業者側からしてもシステムへ投資をすることなく受取人のニーズに対応できるため、利便性の向上につながる。

<利用の流れ>
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利用方法は「EAZY」と同様の仕組み。クロネコメンバーズの「お届け予定通知」「ご不在通知」「My 荷物一覧」画面の「受け取り日時・場所変更」から「置き配」を選択すると、自宅の玄関ドア前や宅配ボックスなど7か所から、希望の受け取り場所を選択できる。

<「置き配」の指定可能場所>
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「置き配」配達完了後、ドライバーが荷物の設置場所の写真を添付した「お届け完了通知」がタイムリーに配信され、受取人は記載のURLから、荷物が置かれている写真を確認できる。

盗難・紛失などリスク対策としては、時間設定と「置き配」の場所設定を組み合わせることなどにより、安全性向上につなげる。「リスクについては検討を進めているが『EASY』での実績をふまえ、通常通り利用できるものだと判断した」と久保田部長。今後、さらに安全対策やオートロックマンションでの対応も進めていく。

ヤマト運輸は、宅配便日本国内シェア47.5%を占める(国土交通省調査 2022年度「宅配便(トラック)取扱個数」)業界最大手。今回の取組みが、「今後、顧客利便性の追求の先に、物流業界・社会全体の課題解決につながれば」と展望している。

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