鈴与シンワートは4月9日、鈴与シンワ物流の運行管理システムのリプレイスについてコンサルティングサービスを提供し、そのレポートを公開しているが、前回の「選定支援編」に続いて今回は「製品選定編」をレポートした。
運行管理システム入れ替えの目的は、現在使用している車載機のサポート終了に伴い、車載機のリプレイスが必要となったことだった。重視した点は「輸送の安全の確保」、「改善基準告示の改正に伴う、労働時間の短縮による収益性の低下」、「より正確な勤怠管理と、それに伴う事務処理の省力化」、「生産性の向上」の4点。
新システムの運用によって、「4つの課題を解決するという理想をどこまで具現化できるか」を重視し、製品選定を行った。
製品選定では、「各々の製品やサービスのコンセプトが大きく異なるものを比較、分析する必要があった。比較するための項目をピックアップすることが難しく、部内で検討を重ねて97項目の比較一覧表を作成した。何を持って優劣を決めるか、それをいかに納得いただくかなど難しい部分もあったが、QCDの観点に基づき、調査結果を定量的に評価、分析し、レポーティングをした。特にコスト分析においては、業者によって異なる見積を精査し、費用項目をグループ化した上で可視化、明確で迅速な意思決定に資するレポーティングを心掛けた。最終的には『結論が分かりやすい資料』として1ページの資料にまとめることに注力した」と鈴与シンワートの物流コンサルティング事業部。
鈴与シンワ物流の鈴与シンワートの評価では「鈴与シンワートと弊社は業界が違うため、聞きなれない言葉が多く、最初は戸惑った。例えば「非機能要件」と呼ばれる信頼性、保守性、拡張性、可用性なども検討する必要があり、最初は頭を悩ませた。しかし、「弊社が新システムに求める要件」を綿密にヒアリングし、2社の競合機種を数値化した比較表を作成いただいたため、採点のニュアンスに弊社の考えと齟齬がなく、真意を汲んでいる内容であると感じた。また、様々な機能を比較するだけでなく、弊社ではどう生かせるかといった提案内容も記載されており、非常に分かりやすい比較表ただった。おかげで4つの課題のいずれにも偏らず、バランスのよいシステムを選定することができた」としている。