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TOPPANデジタルほか/量子技術を応用し工場倉庫管理の最適化へ

2024年04月24日/IT・機器

TOPPANデジタルと東芝デジタルソリューションズは4月24日、TOPPANグループの工場倉庫管理最適化の取り組みの一環として、東芝デジタルソリューションズの量子インスパイアード最適化ソリューションSQBM+を活用した、ピッキングルートと棚配置の最適化に関する共同研究を行ったと発表した。

<ハイブリッド解法によって、ピッキングルートと棚配置の最適化を実現>
20240424toppan - TOPPANデジタルほか/量子技術を応用し工場倉庫管理の最適化へ

この共同研究では、ピッキングルートの最適化を追求する中で、棚配置の最適化にも取り組んだ。両社は、最適なピッキングルートと最適な棚配置を同時に見つけるという課題を解決するために、SQBM+と古典ソルバーを組み合わせたハイブリッド解法を新たに開発した。

このアプローチでは、棚の配置とピッキングルートの最適化が1つのタスクに統合される。ピッキングルートの最適化は、棚配置の最適化を繰り返すたびに実行されるので、この計算は安定的に高速である必要がある。古典ソルバーは、最短ルートを探索できるが、探索する範囲が広くなるほど探索時間が長くなり、また、計算が非常に遅くなる場合がある。SQBM+は、安定的に高速で高精度な近似解(良解)を生成することができる。

そこで、SQBM+で求めた近似解を利用して古典ソルバーの探索する範囲を絞り込むことにより、探索時間を短縮するというハイブリッド解法を開発した。この仕組みにより、安定して高速に最適な結果が得られ、実用化につなげることができる。そして、TOPPANグループの業務ノウハウを生かして、現場の条件に基づいた最適化計算モデルを考案し、ハイブリッド解法を実業務に適用できるようにした。

具体的には、TOPPANグループの工場の実データから、アイテム、人員、エリア、レイアウト要素を考慮してモデリングした約9000変数の最適化問題を解いた。ピッキングルートの最適化に加えて、棚配置も最適化したことにより、現在使われているツールによるシミュレーションよりもピッキング作業時間を平均15%短縮するという結果を得られた。

両社は、引き続き、TOPPANグループの工場倉庫現場にこのプログラムを適用して評価し、そのフィードバックにより改善を重ね、量子インスパイアード技術を活用した工場倉庫管理の最適化ソリューションをサービスとして提供することを目指す。また、TOPPANデジタルは最適化の対象を工場倉庫管理の最適化以外にも広げ、量子技術を活用したBPOや製造プロセスの業務改善を目指す。

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