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TDB景気動向調査/運輸・倉庫は指数改善も企業規模で濃淡

2024年06月05日/調査・統計

帝国データバンクが実施した「TDB景気動向調査(全国)」の5月調査結果によると、「運輸・倉庫」業界の景気DI(指数)は43.3で、前月比0.2ポイント増加した。

<業界別の景気DI>
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指数が改善したものの、自動車生産の再開や荷主の業績が好調な大企業が上向く一方、小規模企業は燃料高に加え、2024年問題に伴う「フェリー使用によるコストアップ」などもあり3.8ポイントの大幅悪化となるなど、企業規模間で濃淡が表れた。

現在の景況感について、運輸・倉庫業界の企業からは「取引価格の改定により増益(普通倉庫)」といった声が聞かれた一方、「運賃の値上げが原油価格、車輌購入費、人件費などの上昇に追い付かず、働き方改革で売り上げも確保できていない(一般貨物自動車運送)」とする企業もおり、企業間で反応が分かれている。

また、先行きに対する声では、「4月の売り上げ交渉は上手くいったが、想定以上に人手不足と物価の上昇がコストを上げている(内航船舶貸渡)」や「2024年問題で人件費が上がり負担が増加する(一般貨物自動車運送)」と、景況感の悪化を懸念する声が多かった。

<全国の景気DI>
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なお、全体の景気DIは個人消費の停滞や原材料価格の高止まり、不十分な価格転嫁などが影響し、43.5(0.6ポイント減)と2か月連続で悪化した。主要10業界で指数が増加したのは、「運輸・倉庫」と「農・林・水産」のみだった。

今後の見通しについては、好材料(実質賃金のプラス転換や自動車の挽回生産、インバウンド需要の増加、シリコンサイクルの回復など)、悪材料(海外経済の下振れリスク、日本銀行の追加利上げや人手不足、電力など各種補助金の終了、裾野の広い自動車業界の不正問題による影響)それぞれの要因が表れるなかで、横ばい傾向で推移すると見込んでいる。

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