フィジカルインターネットセンター(JPIC)は11月13日、都内の会議室で「第2回CLO協議会」を開催した。
協議会には、70~80人の荷主企業、物流事業者の代表が参加。JPICの森隆行理事長のCLO(物流統括管理者)の職能提言に始まり、国土交通省の紺野博行物流・自動車局物流政策課長による「物流改正法の施工に向けた3省合同会議での審議内容について」の発言があり、その後各参加者が10人程度の小グループに分かれ、CLOに関してのディスカッションとなった。
JPICの森隆行理事長はCLOの定義、役割、職能について説明。
定義を「持続可能な社会と企業価値の向上を実現するため、モノの流れを基軸にしたサプライチェーンにおいて、経営視点で社内外を俯瞰した全体最適を図る役割を担う責任者」説明。
CLOに求められる3つの役割として、「地域社会の持続可能性を促進し、社会課題の解決や災害時の対応、カーボンニュートラルへの取組を通じて持続可能な豊かな社会の実現に貢献する役割」、「サプライチェーンの全体最適実現にむけた構造的変革を伴う、中長期計画の立案と実行をリードする役割」、「物流オペレーションの効率化計画の策定と社内外の調整により実践する役割」を解説した。
職能については、「経営者としての視点と能力」、「戦略的思考と決断力」、「社内外の外交力、調整力」、「広い視野の関心、知見」を挙げている。
森理事長は「このCLO制度を推進し、整ってくれば、日本の経営効率化に大きく資することになる。3年後には大きな成果が得られるものと考えている」と話した。
国土交通省の紺野博行物流・自動車局物流政策課長は11月11日に開催したばかりの「改正物流効率化法の施工に向けた3省合同会議での審議内容について」説明した。3省とは国交省、経産省、農水省。
まず、2024年5月15日に公布された「改正物流法の概要」について説明した後、3省合同会議での、基本ポイントを5点挙げて説明。「1.トラックドライバーの運送・荷役等の効率化の推進の意義・目標」、「2.トラックドライバーの運送・荷役等の効率化の推進に関する施策」、「3.トラックドライバーの運送・荷役等の効率化に関し、荷主・物流事業者等が講ずべき措置」、「4.集荷・配達に係るトラックドライバーへの付加の低減に資する事業者の活動に関する国民の理解の増進」、「5.その他トラックドライバーの運送・荷役等の効率化の推進に必要な事項」となっている。
そして、全ての荷主(発荷主、着荷主)、連鎖化事業者(フランチャイズの本部)、物流事業者に対し、物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務を課し、これらの取組の例を示した判断基準・解説書を策定するとしている。
なお、CLO選定については全体への寄与度が高いと認められる大手の事業が指定される基準値を設定した。紺野課長は「日本国内の物量の半分程度を基準として考えた。その基準に沿えば、特定荷主・特定連鎖化事業者は取扱貨物の重量が9万t以上となり、その企業数は上位3200社程度になる。倉庫業者では貨物の保管料が70万t以上の上位70社程度、特定貨物自動車運送事業者等は保有車両台数150台以上とし、上位790社程度。ただ、基準値は環境の変化により変更の可能性はある」としている。