ロッテは11月28日、ブルボン、曙運輸、全国通運、日本貨物鉄道（JR貨物）、日本石油輸送、ロッテが、日本石油輸送が所有する31フィートスーパーURコンテナを活用した鉄道によるラウンドマッチング輸送を同日から開始したと発表した。
＜ラウンドマッチング輸送のスキーム＞
ブルボン、全国通運、JR貨物、日本石油輸送は、31フィートスーパーURコンテナを活用した鉄道モーダルシフトを、2016年7月より新潟から岡山向けで開始した。2023年1月には福岡向けも開始し、CO2排出量の削減や、物流2024年問題の解決を見据えた持続可能な輸送体系の構築に取り組んでいる。ただ、これらはいずれも片道での輸送であり、復路の輸送がなかったことからコンテナ運用に課題を抱えていた。
今回、ブルボンの福岡県内物流センターへの納品後、同じコンテナをロッテ九州工場（福岡県）から大阪府内の倉庫向けへの輸送に活用するマッチングを行い、2024年11月28日よりブルボン、ロッテによるラウンドマッチング輸送を開始した。
ブルボンは工場で生産した「アルフォート」「ルマンド」等の製品を福岡県内物流センターへ輸送し、ロッテ九州工場から大阪府内の倉庫へは「チョコパイ」等の製品を輸送する。同業2社による、物流部門でのコラボレーションを行うことにより、輸送にかかる総コストを削減できるだけでなく、労働力不足の解消等での物流効率化にも貢献できる。また、ロッテは同区間を鉄道輸送に切り替えることにより、CO2排出量を年間17.0トン（削減率80.3％）削減する。
ブルボン、ロッテ、曙運輸、全国通運、JR貨物、日本石油輸送は、今後も物流資源の有効活用や効率的な輸送システムの構築に取り組むことにより、物流の脱炭素化や、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。
＜31フィートスーパーURコンテナ＞
なお、スーパーURコンテナとは、日本石油輸送が所有する真空断熱パネルを採用したコンテナ。冷蔵コンテナよりも高い断熱性能を備えているため、より一層の温度維持が必要な品物を運ぶのに最適。また、ラウンドマッチング輸送とは、貨物を目的地で下ろした後、空で回送することなく適合する貨物を見つけ、出発地まで戻ることにより、往路と復路の車両の積載率を高め、ドレージコストの低減を可能とする輸送方式のこと。
日本通運等5社／自動運転トラックと貨物鉄道のコンビネーション実証実験
