クラボウ(倉敷紡績)は3月25日、愛知県安城市の「安城工場」を閉鎖することを取締役会で決議した。繊維事業の構造改革が理由で、閉鎖は6月30日の予定。
繊維事業部では、独自技術を活用した機能素材開発など、価格競争に巻き込まれにくい事業モデルへ転換を進めてきた。
しかし国内の紡績・織布工場はエネルギーコストの上昇に加え、設備の老朽化が進み、コスト競争力が低下し厳しい状況が続いているという。
安城工場の紡績・織布の操業を停止し、今後は、高付加価値素材の開発拠点として、テキスタイル・イノベーションセンターの機能を強化。
生産は海外関係会社等に移管し、グローバルサプライチェーン全体を見据えた供給体制を整備することで、繊維事業セグメント全体の収益基盤強化を図る方針だ。
なお、工場閉鎖に伴い、2025年3月期の連結決算および個別決算において減損損失など約15億円の特別損失を計上する予定。また従業員の処遇については、雇用確保を前提に協議していく。
■閉鎖工場の概要
所在地:愛知県安城市大東町9-13
敷地面積:約13万3000m2
事業内容:綿・合繊糸、綿・合繊織物の製造
設備:紡績錘数2万8168錘、織機台数125台
従業員数:166名(2025年2月末現在、準社員・パート含む)
閉鎖時期:2025年6月30日(予定)
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