近鉄グループホールディングス(GHD)は3月25日、「近鉄グループ長期ビジョン2035」と「近鉄グループ中期経営計画2028」を策定した。
長期ビジョンでは、「沿線の価値深化・活性化」や「沿線外・グローバルでの事業深化・拡張」を掲げ、特に国際物流事業(近鉄エクスプレス)に関しては、日本発祥のグローバルブランド実現のため、主要トレードレーン(アジア・欧米間の航空・海上)、主要品目(エレクトロニクス、ヘルスケア、自動車等)関連の収益拡大を推進する。
国際物流事業でアジア市場における事業を伸長させるほか、台北支社を軸に新たなビジネスチャンスを探求し、アジア圏で幅広く事業展開するグローバル企業グループを目指す。
一方、中期経営計画では、国際物流事業における近鉄エクスプレスの完全子会社化、コスト構造の見直しなどで売上高・営業利益ともに拡大。前計画(2021~2024年度)で事業リスク耐性の強化、財務健全性の回復、事業基盤の底固めを進められ、成長に向けた土台の整備ができたとした。
長期ビジョンの実現に向け、次の計画(2025~2028年度)を「種まきと育成期」と位置づけ、引き続き成長と財務健全性のバランスに配慮し、資本コストと資本収益性を意識した投資、回転型不動産ビジネスの導入やバランスシートのスリム化などによる財務効率の高度化を図る。
経営指標(連結)の目標値としては、営業利益880億円(2024年度予想)を1000億円以上(2028年度計画)にするとしている。
近鉄GHD 決算/国際物流の売上高9.8%増、営業利益32.1%減