ヤマト運輸は6月、従業員が安全・安心して働くことができる環境の整備を目的に、熱中症対策の一環として「ファン付きベスト」の導入を拡大する。
集配業務を行うセールスドライバーと作業職の社員(北海道、秋田県、岩手県、宮城県一部を除く)に、約7万5000着を貸与する。
さらに全国の事業所にWBGT(暑さ指数)を測定する機器を設置し、熱中症リスクを感知する「ウェアラブルデバイス」の実証を一部エリアで開始するなど、熱中症対策をさらに強化する。
暑さ指数(WBGT)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標(環境省HPより)。
ファン付きベストは、2021年から台車や自転車で集配業務を行うセールスドライバーを対象に約6500着を貸与し、熱中症対策としての効果を検証してきた。
今回、ベストは運転の妨げとならないよう、ファンの取り付け部分を背面から側面に7cmずらした仕様に改良している。
また、これまで一部事業所に導入していたWBGT(暑さ指数)測定器を、全国の事業所(営業所、ベース、法人関連オペレーション拠点など)に拡大し、約3000台を導入する。これにより設置場所ごとの作業環境を正確に把握し、いち早く状況に応じた対策をとれる環境をつくる。
このほか、手首に装着することで体の深部体温の変化が測定され、熱中症のリスクを音・光・バイブレーションで認識できる「ウェアラブルデバイス」をセールスドライバーと作業職の社員(長崎県、東京都一部)に約2500台導入する。
近年の猛暑により熱中症のリスクが高まるなか、2025年6月1日から労働安全衛生規則改正により、職場における熱中症対策が義務化される。
ヤマト運輸ではこれまでも、熱中症対策に関するガイドライン・マニュアルを作成し、注意喚起や周知を図ってきた。また労働環境の把握や従業員へのヒアリングを通じて、冷風機やスポットクーラーの設置、シャーベット状の飲料水や経口補水液の常備など、様々な熱中症対策を行っている。
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