川崎重工業は9月29日、中国遠洋海運集団と共同運営している大連中遠海運川崎船舶工程(DACKS、中国大連市)において、MOL ENERGIA PTE. LTD.向けVLCC「ENERGIA VIKING(エナージア バイキング)」を引き渡したと発表した。
<30万9000重量トン型VLCC「ENERGIA VIKING」>
なお、この船は川崎重工グループとして初のLNG燃料VLCCとなる。
特徴は、従来型の球状船首をなくし、喫水線における船長を長くした船首形状を新開発し、採用している。これにより、航走する際に発生する船首波による造波抵抗を大幅に減少させ、推進性能を高めている。
低回転超ロングストローク主機関と高効率の大直径プロペラの採用で低燃費を達成している。
川崎重工グループとしてVLCCでは初となるLNGと低硫黄燃料油の双方に対応する二元燃料主機関を搭載。LNG燃料使用時は、従来型の重油焚き主機に比べ、二酸化炭素(CO2)では約25~30%、硫黄酸化物(SOx)では100%、窒素酸化物(NOx)では約85%の排出削減効果が見込める。VLCCでは2025年度以降の契約船から適用される、二酸化炭素排出量規制のEEDIフェーズ3に適応している。
■主要目
全長×幅×深さ:339.50m×60.00m×28.90m
満載喫水:21.03m
航海速力:約15.45ノット
定員:37名
総トン数:16万6708t
載貨重量:30万9999t
貨物倉容積:35万2151m3
主機関:川崎- MAN B&W 6G60ME-C10.5-LGIP 1基
船級・船籍:日本海事協会(NK)・パナマ
引渡日:2025年9月29日
商船三井/LNG二元燃料の大型原油タンカー「ENERGIA VIKING」命名式