佐川急便とSGシステムは10月30日、新菱冷熱工業と連携し、建設現場での資材管理の効率化を目的とした新たな業務システムを開発したと発表した。
建設業界も物流業界と同様に2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されたことに伴い、労働力不足など多くの課題に直面しており、新菱冷熱工業では、BIM(Building Information Modeling)の活用などによる施工管理や設計工程のデジタル化を積極的に推進している。
一方で、建設現場で使用する資材は、各サプライヤーへの発注、入出荷検品、在庫管理などの工程で依然として多くのアナログ作業が残されており、資材管理の効率化に向けたデジタル化も求められている。
こうした状況を打開するため、佐川急便とSGシステムは、建設現場に適した解決策として、「門前倉庫」と「資材管理システム」を中核とするソリューションを提案し、採用に至った。
現場近くに設置した門前倉庫では、資材を一時保管した上で必要に応じてユニット化。ジャストインタイム方式で搬入する体制を整備したことにより、新菱冷熱工業が課題としていた現場内での仮置きや仕分け作業を削減して、労務負担の軽減と施工効率の向上につなげている。
新たに開発された資材管理システムでは、サプライヤーごとに異なるラベル規格に対して、エッジAI(AIを搭載した端末が収集したデータを端末内で処理し、推論・学習を行うことで瞬時に判断を出す技術)を活用して日本語、英数字、記号などラベルやケースに書かれた文字を読み取ってデータ化。ラベルの情報に設置場所や出荷予定日などを紐づけし、二次元コード化した統一ラベルを発行する。
資材のユニット化により、現場での作業進捗(しんちょく)に合わせて、「必要な時に、必要な資材を、必要な量だけ」輸送するだけでなく、資材の設置場所ごとにまとめた状態での納品が可能なことから、現場での仕分け作業や、納品日の調整など煩雑な作業が不要になった。
また、発注状況から倉庫・現場への入出荷、在庫管理など、資材のステータスを一気通貫で管理することができ、倉庫管理者に限らず、現場管理者も同一のシステムでステータス確認ができるため、施工進捗に合わせて資材の動きを調整することも可能だ。
新たなシステムは、新菱冷熱工業が手掛ける実際の現場でのトライアルを経て導入されており、将来的には現場の作業効率に課題を抱えるさまざまな業種業態にも展開できる汎用性の高いシステムに改良を重ねていくとしている。
SGシステム、XYZ Robotics/サンワサプライ、物流施設にコンテナ向け荷降ろしロボット導入
