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出光興産/原油外航船の配船計画立案の作業時間と輸送コストを削減

2025年06月09日/IT・機器

出光興産は6月6日、原油外航船の配船計画立案に数理最適化を組み入れたシステムを導入した。

<システムの概要>
20250609idemitsu - 出光興産/原油外航船の配船計画立案の作業時間と輸送コストを削減

システムの導入により、原油輸送コストを最小化した配船計画を短時間で立案することが可能となる。システムはエクサウィザーズと共同で開発した。

同社はガソリンや灯油・軽油など石油製品を製造するため、原油を輸入している。原油輸送に用いる外航船の配船計画を立案する際には、原油処理計画や原油タンク在庫、原油の性質といった製油所のニーズに加え、港や船などの細かな制約条件も考慮する必要がある。これまでは、熟練した担当者が複雑な条件を考慮しながら、原油輸送コストを抑えた配船計画を立案していたが、膨大な時間がかかることが課題だった。

システムは、これらの条件を満たしたうえで原油輸送コストを最小化する配船計画を短時間で立案する。これにより、配船担当者は、システムが立案した配船計画を確認し、必要に応じて微修正を行うだけで、効率的に原油輸送コストを最小化した配船計画を作成することが可能になった。

導入にあたり行った実証試験では、システムの活用により配船計画の立案にかかる作業時間を最大40%削減できた。また、寄港数の削減などにより、年間で数億円規模の原油輸送コスト削減を見込む。今後はシステムの機能の強化により、さらなる効率化を推進する。

同社は、外航船による原油輸送にとどまらず、国内での石油製品の配送を担うタンクローリーや、製油所・油槽所間の内航船による輸送業務においても、積極的にデジタル技術を導入し、計画の立案業務や物流の効率化によるコスト低減に取り組んでいる。今後も、石油製品の安定供給と物流の効率化の両立を目指し、デジタル技術を活用して物流体制の改良に取り組む、としている。

出光興産/配車計画の作成時間25%削減 AIと最適化モデルを活用

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