キリンビール、キリングループロジスティクス、NTTデータの3社は12月16日、商品のパレットへの最適な積み付け方法の指示や人員の割り当てを行う新たなピッキングシステムを構築し、7月からキリンビールの国内全9工場で稼働していることを明らかにした。システムの導入を含むさまざまな取り組みにより、7月～9月でトラックドライバーの荷待ち時間が合計約1万時間削減されている。
＜主な業務フローのイメージ図＞
新ピッキングシステムは、使用パレット枚数減少によるトラックドライバーの荷待ち待機時間削減や、配送時・パレット生産時の燃料・CO2削減を目的に導入され、年間パレット使用枚数を約9万枚削減できる見込み。
トラックドライバー不足が深刻化する中、キリングループはトラックを「待たせない」ことで運行生産性向上を目指しているが、商品の少量多品種化によりピッキング品が増えることで、トラックに積むパレット枚数やトラックに積み付ける際の荷合わせ作業が増え、結果的にトラックドライバーが荷待ち待機をする時間が増加していることが課題となっていた。
新ピッキングシステムは、最適な商品組み合わせでの積み付けを指示するため、効率的なパレット積み替えが可能となったほか、作業難易度と作業員の熟練度に応じた自動指示機能で、作業内容に適した人員の割り当てやロボットへの指示ができるようになった。
＜新ピッキングシステムによる改善箇所と取り組みの成果＞
3社は今後、ICTやAIなどの先進技術を活用し、物流業務はじめサプライチェーン全体の課題解決に取り組むことで、持続可能な社会の実現につなげるとしている。
