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自動走行配送ロボット/ソフトバンク、佐川急便等が実施者に

2020年09月02日/IT・機器

ソフトバンクと佐川急便は9月2日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」での公募でNEDOから事業実施者に選定されたと発表した。

今後両社は、東急不動産やアスクル、MagicalMoveなどの協力企業と連携し、東京都が実施する「スマート東京」の実現に向けたプロジェクトとして、東急不動産とソフトバンクが最先端のテクノロジーを街全体で活用するスマートシティのモデルケースの構築に取り組んでいる竹芝エリアで、自動走行ロボットによる配送サービスを実現するための実証実験を、9月以降に実施する。

実証実験では、ソフトバンクと佐川急便が屋外と屋内の2つの配送シナリオに沿って、技術面やサービス実用性についての検証・評価を行う。屋外の配送では、自動走行ロボットと信号機の連携システムを開発し、自動走行ロボットが信号機の表示に従って交差点を横断し、竹芝エリアの公道を安全に走行しながら荷物を配送する実証実験を実施する。また、走行時における荷物の温度変化や、段差などによる衝撃についても検証する。

屋内の配送では、ソフトバンクの新本社となるオフィスビル「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」に、自動走行ロボットと館内エレベーターの連携システムを導入し、自動走行ロボットがエレベーターに乗降して異なるフロアへ荷物を配送する実証実験を行う。

また、オフィスビル・商業施設においてロボットでの自動配送の有効性についての検証も実施する。

その他、今回の屋外・屋内の実証実験では、自動走行ロボットの現在地を確認したり目的地に到着したことを通知したりする機能などを搭載したアプリケーションを開発して、検証・評価を行う。

物流業界では宅配便の取扱量の増加による人手不足が課題になっている。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から接触機会の削減が求められている。こうした課題の解決に向けて、ソフトバンクと佐川急便は、今回の実証実験を通して、自動走行ロボットによる非対面・非接触での配送サービスの早期実現を目指していくとしている。

なお、実証実験での各社の役割は、ソフトバンクが「公道走行における保安基準に対応した自動走行ロボットの開発、改修」「自動走行ロボットと信号機の連携システムの開発、検証」「館内における配送プラットフォームの環境構築」「自動走行ロボットによる配送サービスに必要なインターフェースの開発、検証」「自動走行ロボットの屋内外配送の有効性の検証」。

佐川急便が「自動走行ロボットの屋外配送時の荷物の温度変化や衝撃の検証」「自動走行ロボットの屋外配送の有効性の検証」「館内物流における配送プラットフォームの有効性の検証」「物流事業者の観点からの開発成果の評価」。

協力企業では、東急不動産が「配送拠点協力」「不動産事業者の観点からの開発成果の評価」、アスクルが「物流サービスに関する知見協力」「物流事業者の観点からの開発成果の評価」、タリーズコーヒージャパンが「配送拠点協力」「飲食事業者の観点からの開発成果の評価」、MagicalMoveが「配送アプリケーションに関する技術協力」「物流事業者の観点からの開発成果の評価」となっている。

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